瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)、2022年の利益が初めて黒字化を達成

(中国)

広州発

2023年03月10日

中国のコーヒーチェーン店の瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)(本社:福建省アモイ市)は3月2日、2022年第4四半期および2022年通年の業績を発表した。同社の2022年の売上高は前年比66.9%増の132億9,300万元(約2,619億円、1元=約19.7円)で、Non-GAAP(米国会計基準に準拠しない)ベース(注)での純利益は10億4,846万元となった。2021年は1億977万元の損失だったが、初の黒字化を達成した。営業利益(GAAP)も11億5,620万元(前年は5億3,910万元の営業損失)、Non-GAAPベースで15億5,420万元(前年は2億3,630万元の営業損失)と黒字に転換した。

四半期ベースの直営店の売上高をみると、2021年第1四半期から2022年第3四半期にかけては、前年同期比で2桁の高い伸びを継続。2022年第4四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け1日当たり約1,500店舗を臨時閉鎖した中で、同売上高は前年同期比9.2%増と1桁台に低下したものの、年間を通してプラスの伸びを維持した。また、その後は防疫措置が緩和されたことに伴い、2023年1月には1日当たりの臨時閉鎖店舗数は1桁台となり、店舗運営はほぼ正常な水準に回復したという。

黒字化の要因としては、高頻度の新製品開発の継続や、製品価格の引き上げ、営業コストの引き下げなどの取り組みが挙げられる(「財新」2023年3月3日)。

なお、2022年末時点における店舗数(直営店およびパートナー契約による店舗を含む)は前年比36.4%増の8,214店舗で、同時期のスターバックスの中国国内店舗数(6,090店)を上回った。2023年3月3日付の「財新」によれば、今後は下沈市場と呼ばれる3級都市以下の地方都市での店舗拡大を図るという。

(注)同社発表資料によると、Non-GAAPベースの指標は同社業務の基本的な方向の確定、経営状況に関するさらなる情報の提供、過去の業績と将来の見通しに対する全体的な理解を強化することに役立つとしている。

(梁梓園)

(中国)

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