ドイツ化学品大手コベストロ、広東省に同社最大規模のTPU生産拠点の建設開始を発表

(中国、ドイツ)

広州発

2023年03月02日

ドイツ化学品大手コベストロは223日、中国・広東省珠海市に自社最大規模の熱可塑性ポリウレタン(TPU、注)生産拠点を建設すると発表した。同社のTPU事業における最大の投資となり、投資額は数億ユーロに上るという。

新工場は珠海高欄港経済区に位置し、2033年の建設完了時には総敷地面積は約45,000平方メートルで、年間約12万トンのTPU生産能力を持つ見込み。建設工事は全3期に分けて建設される。第1期工事は2025年末に完了し、年間約3万トンのTPU生産能力を実現する予定だ。また、迅速に顧客のニーズに対応するため、新工場にはイノベーションセンターも設置され、常駐の研究人員が材料の配合などを調整する予定。

今回の発表の中で、同社TPU事業トップのアンドレア・マイヤー・リヒター博士は、TPU市場の需要と成長の見通しの大部分はアジア、特に中国からもたらされるとコメントした。

なお、ドイツの化学大手BASFも、2019年から広東省湛江市で化学品統合生産拠点(フェアブント拠点)を建設し、2023年にはTPUの生産工場の稼働を予定している(2022年9月21日記事参照)。

(注)同社ウェブサイトによると、TPUはスポーツシューズの靴底、掃除ロボット、スマートスピーカー、携帯ケースなどの電子機器、自動車部品など幅広い用途で使用されている素材。

(汪涵芷)

(中国、ドイツ)

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