カナダ政府、温室効果ガス・オフセット・クレジット制度の分野別プロトコル第2弾、冷凍分野を発表

(カナダ)

米州課

2023年02月28日

カナダ政府は2月24日、「温室効果ガス(GHG)・オフセット・クレジット制度外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に基づき、「冷凍システムからのGHG排出量削減」プロトコルを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同制度の下で登録参加者は、GHGの排出または削減の量を測定するための一貫したアプローチを定めた「連邦オフセット・プロトコル」に従ってプロジェクトを実施する。今回発表されたプロトコルは、2022年6月に発表した第1弾のメタン回収・分解の分野に続くもので(2022年6月15日記事参照)、企業が冷凍や空調システムを地球温暖化係数の低い冷媒を使用したものにアップグレードすることを奨励している。

今回の対象産業施設は、食品加工工場、スケートリンク、ショッピングセンター、オフィスビル、工業団地、小売食料品店や冷蔵倉庫などが含まれる。これらの事業体が冷凍や空調のシステムをアップグレードまたは交換した場合に、削減できた排出量1トンにつき、クレジット1単位が付与される。獲得したクレジットは、炭素汚染価格制度の下でのコンプライアンス義務や排出削減目標の達成に役立てられるほか、同様の目的達成のためにクレジットの使用を希望するほかの事業体に販売することも可能だ。

第2弾プロトコルについて、スティーブン・ギルボ環境・気候変動相は、カナダの国技でもあり、競技が盛んなアイスホッケーのリンクを例に挙げ、「屋内ホッケーリンクは、より気候に優しい冷媒を使用して氷を凍らせることで、環境保護に役立つ」とし、「冷媒用の新しいGHG・オフセット・クレジット制度は、あらゆる種類の企業が冷凍および空調システムを環境にとってより良いものにアップグレードすることを奨励し、その過程で取引可能なクレジットを通じて報酬を与える」と述べた。

このほか、現在、プロトコルの策定が進められている分野には、「私有地での森林管理の改善」「家畜飼料管理」「空気中の二酸化炭素の直接回収と隔離」「土壌有機炭素の増加」がある。また、「嫌気性消化(メタン発酵)」のプロトコルの策定が2023年春から開始の予定となっているという。

カナダのGHG・オフセット・クレジット制度の対象となる活動やプロジェクトの登録申請方法の詳細については、こちらを参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのこと。

(高山さわ)

(カナダ)

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