米国の状態は弱体化、バイデン氏、トランプ氏ともに再選を望む声少なく、世論調査結果

(米国)

米州課

2023年02月07日

米国の状態(state of the union、注1)は5年前より弱体化していること、また、ジョー・バイデン大統領およびドナルド・トランプ前大統領の2024年大統領選挙での再選を望む声が少ないことが世論調査からわかった。

米国ニュージャージー州のモンマス大学は2月6日、米国の状態などに関する世論調査結果(注2)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、米国の状態について、「強固」とする回答は39%(「非常に強固」7%、「いくらか強固」32%)だった。2018年の調査時(55%:「非常に強固」13%、「いくらか強固」42%)に比べて減少した。支持政党別では、共和党支持者はトランプ政権時の方が、民主党支持者はバイデン政権時の方が強固だったと回答した。共和党支持者は、2018年に「強固」との回答が76%だったが、今回は29%まで減少した。民主党支持者は2018年に42%だったが、今回は58%だった。ただし、民主党支持者の「強固」との回答は、2022年調査時の68%から減少した。無党派層は、2018年の52%から今回33%に減少した。

ABCニュースとワシントン・ポストが2月5日に発表した世論調査(注3)によると、2024年の大統領選挙でバイデン氏が再選された場合に、「怒りは感じないが不満」(32%)と「怒りを感じる」(30%)の合計は62%と、「熱烈に支持する」(7%)あるいは「熱烈には支持しないが満足」(29%)の36%を上回った。トランプ氏に関しても、「怒りは感じないが不満」(20%)と「怒りを感じる」(36%)の合計が56%で、「熱烈に支持する」(17%)あるいは「熱烈には支持しないが満足」(26%)の43%を上回った。トランプ氏は、「熱烈に支持する」がバイデン氏を10ポイント上回ったが、「怒りを感じる」ではバイデン氏を6ポイント上回った。

また、バイデン氏、トランプ氏ともに機密文書所持問題が報じられているが、機密文書保持を「意図的に不法行為を行った」とする割合がトランプ氏は45%と、バイデン氏(27%)を大きく上回った。「不適切だったが、意図的ではない」とする割合はバイデン氏が48%とトランプ氏(29%)を大きく上回った。

また、「ワシントン・ポスト」紙(電子版2月5日)は、トランプ氏が2020年の大統領選挙で票が盗まれたと虚偽の主張を続けたため、2022年の中間選挙がバイデン氏に対する純粋な審判とならないことに貢献したと分析している。

(注1)国の状態(state of the union)とは、大統領の一般教書演説で使われている表現で、国の全体的状態を意味する。

(注2)実施時期は、2023年1月26~30日。対象者は全米の成人805人。

(注3)実施時期は、2023年1月27日~2月1日。対象者は全米の成人1,003人。

(松岡智恵子)

(米国)

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