2022年の中国の対外直接投資額、前年比0.9%増の1,465億ドル
(中国)
北京発
2023年02月24日
中国商務部は2月10日、2022年の中国のドル建て対外直接投資額が前年比0.9%増の1,465億ドルだったと発表した。元建てでは5.2%増の9,853億7,000万元(約19兆7,074億円、1元=約20円)だった。このうち、非金融部門の対外直接投資額は2.8%増の1,168億5,000万ドル、元建てでは7.2%増の7,859億4,000万元となった。
商務部の担当者は2022年の中国の対外投資の特徴として、(1)「一帯一路」沿線国への投資協力が着実に進んだこと、(2)一部業界の対外投資が急速に伸びたこと、(3)中国の地方企業による対外投資が活発化したことを挙げ、下記のとおり紹介した。
(1)については、「一帯一路」沿線国への非金融部門の投資額が前年比3.3%増の209億7,000万ドルとなり、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、パキスタンなどが主要な投資先となった。
(2)については、卸売・小売業への投資額が19.5%増の211億ドル、製造業への投資額が17.4%増の216億ドル、リース・ビジネスサービス業への投資額が5.8%増の387億6,000万ドルだった。
(3)については、中国の地方企業による対外投資額が13.1%増の939億2,000万ドルとなった。
対外経済貿易大学国家(北京)対外開放研究院の呂越教授は、2022年の対外直接投資が主に卸売・小売業、製造業、リース・ビジネスサービス業などの分野に集中した要因について、以下の見方を示した(「中国貿易報」2月14日)。
- 中国では製造業の構造転換とアップグレードが加速し、対外投資構造のさらなる最適化が進んでいるため。
- 各国で伝統的産業の構造転換とアップグレードが加速し、企業管理・コンサルティング・調査などのビジネスサービスへの投資需要が増加しているため。
- グローバルバリューチェーンの再構築が加速し、研究開発や設計、マーケティン グ、ブランディングなどのハイエンドなサービスを中心に、国際市場でのサービス業への投資需要が高まっているため。
(趙薇)
(中国)
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