米バレロとダーリング、テキサス州での持続可能な航空燃料プロジェクトを最終投資決定

(米国)

ヒューストン発

2023年02月08日

米国石油精製大手のバレロ・エナジー(本社:テキサス州サンアントニオ)と、米国再生可能エネルギー生産大手のダーリング・イングリーディエンツ(本社:テキサス州アービング)は1月31日、両社の合弁会社が所有・運営するテキサス州ポートアーサー工場での持続可能な航空燃料(SAF)プロジェクトの最終投資決定(FID)を行ったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同プロジェクトは、推定コストが3億1,500万ドルで、2025年に完了予定としており、完了時点でポートアーサー工場は現在の年間生産能力4億7,000万ガロン(約180万立方メートル)の約50%をSAFにアップグレードする能力を持ち、世界最大規模のSAF製造会社の1つになるという。

バレロのジョー・ゴーダー会長兼最高経営責任者(CEO)は「このプロジェクトは、当社の液体燃料製造の専門性の自然な拡張であり、再生可能エネルギーの革新を通じて当社の成長戦略を実証するものだ」「顧客からの強い関心に支えられ、SAFは当社の長期的な競争優位性を拡大しながら、当社製品の炭素強度(注)をさらに削減する経済的な道筋を提供する」と述べた。

国際民間航空機関(ICAO)は、航空機が排出する二酸化炭素(CO2)を2050年までに実質ゼロとする目標を掲げており、2024年以降は2019年比で排出量を15%削減、もしくはオフセットすることが求められる。航空業界の脱炭素化の動きはより一層加速し、日本を含む各国でのSAFの需要増加が今後見込まれているという。

米国でのSAFに関するそのほかの取り組みには、伊藤忠商事が1月に、米国のSAF製造企業レイヴェン(本社:ワイオミング州パインデール)と、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)向けにSAF供給で合意した(2023年1月19日記事参照)ものが挙げられる。

(注)エネルギー単位当たりのCO2排出量、すなわち、CO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。

(沖本憲司)

(米国)

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