日本製紙、ハンガリーに海外初のEV用資材の生産拠点を設立と発表

(ハンガリー、日本)

ブダペスト発

2023年02月10日

日本製紙は2月6日、同社として海外初の電気自動車(EV)用資材生産拠点設立外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにかかる記者発表を、シーヤールトー・ペーテル外務貿易相の同席のもと、ハンガリー外務貿易省で行った。

冒頭、日本製紙ケミカルヨーロッパ代表の吉川裕治氏は「ハンガリー政府ならびに投資誘致機関の協力のもと、食品や歯磨き粉などにも使われている植物由来の素材を使ってEV用のバッテリー資材であるCMC(カルボキシメチルセルロース)を生産する拠点を、海外では初めてハンガリーに設立することを決定した」と発表した。そして「本プロジェクトはブダペスト近郊のバツラトートに本年の6月から工場の建設を始め、2024年12月から稼働予定。60人ほどの新規雇用を行い年間5,000万ユーロの売り上げを目指す」と語った。

資本金は1,000万ユーロで、現地の環境状況に鑑みて生産に当たっては水を使わないドライ方式でのラインを投入する。取得する用地面積は4万3,000平方メートルで、うち8,000平方メートルを第1期での工場用敷地分として使う。

日本製紙がハンガリーに進出を決定した理由については、温室効果ガス削減の観点から欧州域内でバッテリーのサプライチェーンが確立されていくなかで、中国や韓国などから多くのバッテリー関連企業が欧州域内での展開を強化していることから、現在日本のみとなっている生産拠点を欧州にも展開する必要がでてきたとのことだ。

シーヤールトー外務貿易相は「環境保護の観点から自動車は今後EVに置き換わっていく。EVシフトを推進するにはバッテリーがなくてはならず、その生産を支えるサプライヤーの存在があってこそだ。そういう環境の中でハンガリーは、西欧のEVメーカーと東欧のバッテリーメーカーの橋渡しとして両者がハンガリーで出会ってもらえるようになることを目指している。いまやハンガリーはバッテリー生産において世界4位の地位を占めている。この6年間で47件のEV関連のプロジェクトがハンガリー国内20カ所以上で展開しており、総額にすると7兆フォリント(約2兆5,200億円、1フォリント=約0.36円)を超える投資額になっている」とし、今後もバッテリー関連での企業誘致に力を入れていくことを強調した。そして、「今回、投資を決めた日本製紙の製品はセルロースを原料とする、環境にやさしいバイオマスベースの製造技術で、政府は投資額の15%相当の補助金を提供した」とコメントした。

(末廣徹)

(ハンガリー、日本)

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