米シェブロン、デジタルツイン技術活用で石油ガス施設の作業効率化へ
(米国、オーストラリア)
ヒューストン発
2023年02月15日
米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は2月7日、デジタルツイン技術を活用して、同社が保有する一部の石油ガス施設の作業効率化に取り組んでいると発表した。
デジタルツイン技術とは、現実空間の、ヒト・モノ・コトのさまざまなデジタルコピーをサイバー空間上に表現する先進技術を指す。このサイバー空間上でデータ分析や未来予測などのシミュレーションを実行し、その結果に基づく最適な方法や行動を現実空間にフィードバックすることで、街づくりや工場・生産ラインの改善など、社会やビジネスプロセスを進化させることができる技術概念として注目を浴びている。
同社は、同技術を活用することで、同社の石油ガス施設に関する以下の2つの重要な機能の提供が可能になるとしている。
1. 作業員が同施設のデジタルデータに迅速かつリモートでアクセスできることにより、作業プロセスの合理化、洞察力の向上、問題の診断が可能となる。
2. 機器の監視と最適化ができることにより、エンジニアが同施設の将来の状態を予測し、機器の性能向上のための調整が可能となる。
シェブロンのデジタルエンジニアリング担当マネージャーであるキース・ジョンストン氏は「デジタルツイン技術は、エンジニアの仕事の進め方を大きく変えるものだ。業界の変化のスピードは、世界のエネルギー需要を満たし、よりインパクトのある結果を出すため、異なる考え方、異なる行動、異なる支援を要求している」と述べた。
同社は、デジタルツイン技術実践の一例として、テキサス州ヒューストンに拠点を置く技術センターの専門家による、オーストラリアのウィートストーン天然ガス施設での同技術の活用を挙げている。太平洋を隔てた同僚が協力し合い、リアルタイムで問題解決のためのトラブルシューティングを行うことで、より早い操業再開が可能になったという。
(沖本憲司)
(米国、オーストラリア)
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