サムスン電子、2022年第4四半期の営業利益は7割減

(韓国)

ソウル発

2023年02月06日

韓国のサムスン電子は1月31日、2022年第4半期(10~12月)の業績(連結ベース)を発表した。売上高は前年同期比8%減の70兆4,600億ウォン(約7兆3,983億円、1ウォン=約0.105円)、営業利益は69%減の4兆3,100億ウォンだった(全体および部門別の売上高は添付資料表1、営業利益は添付資料表2参照)。

また、2022年通年の売上高は前年比8%増の302兆2,300億ウォンで、通年ベースで過去最大を記録した。一方、営業利益は16%減の43兆3,800億ウォンとなった。

第4四半期の部門別業績は次のとおり。

(1)DX(Device eXperience)部門(家電、ITおよびモバイルなど)

VD(Visual Display)は、付加価値の高いプレミアム製品の販売拡大により、前期に比べ、収益性が改善した。一方、家電製品は、市場状況の悪化と競争激化に伴う費用の増加を受け、収益性が低下した。以上の結果、VD/家電などの売上高は前年同期比2%増となったものの、営業損失を記録した。

MX(Mobile eXperience:無線通信部門)は、スマートフォン需要低迷の影響を受け、新型モデルの販売開始効果も低下した。特に、ミドルレンジ・スマートフォンの販売が予想を下回った。ネットワークは、韓国における5G(第5世代移動通信システム)設備の増設への対応、北米などの海外事業の拡大により売上高が増加した。以上の結果、MX・ネットワークの売上高は前年同期比7%減、営業利益は36%減となった。

(2)DS(Device Solutions)部門(半導体など)

メモリーは、顧客の在庫調整により販売価格が大幅に下落し、売上高が前年同期比38%減となった。

システムLSI(大規模集積回路)は、業界の在庫調整の影響を受け、主要製品の販売が振るわなかった。

ファウンドリは、主要顧客向けの販売が拡大し、四半期ベース、通年ベースともに過去最大の売上高を記録した。また、先進工程を中心に生産能力が拡大し、顧客が増加したことで、利益も増加した。

以上の結果、DS部門の売上高は前年同期比24%減、営業利益は97%減と、大幅減になった。

(3)SDC(サムスンディスプレー)部門

中小型パネルは、フラグシップモデルのスマートフォン向けの有機EL販売が好調だった。

大型パネルは、テレビ向けのQD-OLED(量子ドット有機EL)販売拡大と、LCD(液晶ディスプレー)の在庫削減により、赤字幅が縮小した。

以上の結果、SDC部門の売上高は前年同期比3%増、営業利益は38%増となった。

サムスン電子は業績発表と同時に、2022年の設備投資実績が53兆1,000億ウォンだったと発表した。このうち、DS部門が47兆9,000億ウォン、SDC部門が2兆5,000億ウォンだった。

(柳忠鉉)

(韓国)

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