ルーラ大統領とフランス外相会談、マクロン大統領訪問でEUメルコスール懸案事項協議へ

(ブラジル、フランス)

米州課

2023年02月10日

ブラジル大統領府は2月8日、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領がフランスのカトリーヌ・コロナ欧州・外務相と首都ブラジリアで会談を行ったことを明らかにした。大統領府によると、コロナ欧州・外務相の来訪の目的は、2023年上半期に予定されているエマニュエル・マクロン大統領のブラジル訪問の調整。両者は会談で防衛や貿易、投資、気候変動などについて、両国間のパートナーシップを確認した。

マウロ・ビエイラ外相は会談後、「コロナ欧州・外務相の訪問により、双方が望んでいたハイレベルの関係修復を行う」と述べた。ボルソナーロ前政権下では、環境問題などで折り合わず、両国間に溝ができていた(2月9日付現地紙「メルコプレス」)。同紙によると、ルーラ大統領は1月26日、マクロン大統領と電話会談を行い、環境問題や2019年に政治同意して以降進展が見られないEUメルコスール自由貿易協定(FTA)の進展に向けて協議するべく、マクロン大統領をブラジルに招待している。コロナ欧州・外務相は会談で、EUメルコスールFTAについて「現在のブラジルには、社会的、環境的原則を尊重する将来の協定を受け入れる能力があることを確信している」と述べた。

EUメルコスールFTAは、2019年6月に政治合意したが、現時点でもまだ署名に至っていない。時間を要している背景について、一部報道では、環境に関する章などで双方が折り合っていないと報じられている。ルーラ大統領は1月1日の大統領就任時に、同FTAの推進に注力すると述べている。

(辻本希世)

(ブラジル、フランス)

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