憲法評議会議員の候補者354人出そろう、与野党とも候補者名簿一本化できず

(チリ)

サンティアゴ発

2023年02月10日

チリ選挙管理庁(SERVEL)は2月8日、新憲法の草案策定を担う憲法評議会(Consejo Constitucional)議員選挙について、候補の名簿登録者354人が出そろったと発表した。5月7日に実施される同選挙では、前回の新憲法議会議員選挙とは異なる義務投票制が採用され、男女それぞれ25人ずつ計50人が選出される。ほかにも、前回選挙では総議席155に対して、先住民枠としてあらかじめ17議席が設定されていたが、今回は先住民族候補者の得票数の割合に応じて、議席数の調整が行われる方式となった。

現政権を構成する左派連合(Aprueba Dignidad)と中道左派連合(Socialismo Democrático)は、直前まで単一名簿に基づく候補者の一本化について議論を重ねていたが、最終的に2つの異なる名簿での登録に至った。これは、中道左派連合内で意見が対立したためで、同連合の社会党(PS)と自由党(PL)は左派連合との連帯を選択し、民主主義のための政党(PPD)と急進党(PR)は野党で中道左派のキリスト教民主党(DC)との共同名簿を提出している。チリで大統領を2度経験したミチェル・バチェレ氏も立候補の可能性を示唆していたが、与党側の足並みの乱れによって断念している。

一方の野党も、中道右派連合(Chile Vamos)が他の右派政党との候補者一本化を目指して議論を重ねていたものの、合意には至らず、中道右派連合、共和党(PLR)、人民党(PDG)がそれぞれ個別に名簿を提出する結果となった。中道右派連合の候補者の主な顔ぶれとしては、セバスティアン・ピニェラ政権時の内相で独立民主同盟党(UDI)のロドリゴ・デルガド氏や、元運輸通信相で政治進化党(Evópoli)の党首グロリア・フット氏らが名を連ねている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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