シンガポールとマレーシア、デジタルとグリーンで協力

(シンガポール、マレーシア)

シンガポール発

2023年02月01日

シンガポールのガン・キムヨン貿易産業相とマレーシアのザフルル・アジズ国際貿易産業相は1月30日、デジタル経済とグリーン経済における協力に関する枠組み(FoC)に署名した。

シンガポール貿易産業省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、デジタル経済の協力には、(1)貿易円滑化〔貿易行政に関する書類(衛生・植物検疫証明書など)に関連するデータ交換の促進や、電子的移転可能記録(電子式船荷証券など)の国境を越えた利用など、貿易の全プロセスのデジタル化を加速させ、企業がより簡単にオンラインや国境を越えて取引できるようにすること〕、(2)データの国境を越える流通、(3)電子的支払い、(4)電子認証、(5)企業/消費者の信頼(サイバーセキュリティーや迷惑メールへの取り組みなど、デジタルシステムの信頼を高めること)、(6)標準化、(7)デジタル化における投資促進・円滑化、(8)中小零細企業(MSME)のデジタル化、(9)規制とガバナンスの枠組みが含まれる。

また、(1)ASEANで取り組んでいる事業者識別番号ネットワーク(UBIN)システムの概念実証としての電子認証に関する2国間パイロットの可能性、(2)2国間および地域の相互承認に向けた基礎段階としてのシンガポールの個人、法人の電子認証(National Digital Identity)に関する知識の共有、(3)MSMEのデジタル化支援のための協力については、シンガポールとマレーシア双方が検討可能なプロジェクトとして、予備的な話し合いが行われている。

グリーン経済の協力には、(1)次世代モビリティー〔EV(電気自動車)やAV(自律走行車)の規格や技術資料の適用、EVの充電規格やEV充電場所の配備など〕、(2)環境・社会・ガバナンス(輸出業者のための能力開発プログラム)、(3)低炭素化の取り組み(水素や二酸化炭素の回収・有効利用・貯留など)、(4)カーボンクレジット、(5)国内や地域の脱炭素化を支援するための新・再生可能エネルギー関連技術基準の開発が含まれる。

なお、デジタル経済とグリーン経済における協力の枠組みが署名された当日には、シンガポール通信情報省とマレーシア通信デジタル省との間で、個人情報保護、サイバーセキュリティー、デジタル経済の協力に関する覚書が交わされた。

(朝倉啓介)

(シンガポール、マレーシア)

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