非常事態宣言が延長、総選挙も先送りへ

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2023年02月03日

ミャンマー国軍による権力掌握から丸2年となった2月1日、国軍は国営放送を通じ、非常事態宣言を6カ月延長すると発表した。非常事態宣言の解除から6カ月以内と定められている総選挙の実施について、国軍の発表が注目されていたが、今回の延長により、総選挙は先送りされる見通しとなった。

国軍は2021年2月1日、2020年に実施された総選挙の不正を理由に非常事態宣言を発令し、全権を掌握し、その後、憲法で認められている半年ごとの延長を2回実施した。今回の延長の正当性について、国軍は民主派勢力の武装闘争が続いている現状が、憲法に規定されている「通常」の状況に当たらないと主張している(注)。

2月1日、市民らは外出を控えて国軍に抗議する沈黙のストライキを実施した。最大都市ヤンゴンでは、大きな武力衝突などは見られず、街の人出も車の交通量も著しく減少し、閑散としていた。

非常事態宣言の延長で総選挙の実施が先送りされる見通しとなり、今後の事業運営にあたって、総選挙を1つの判断材料と考えていたミャンマー進出の日系企業にとっては、先行きの不透明感がさらに増大し、引き続き厳しい事業運営を強いられることになる。

(注)憲法では、非常事態宣言につき「通常、同期間を1回につき6カ月間2回まで延長することができる」と定めている。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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