高速鉄道ユーロスターとタリス、秋からのサービス統合を発表

(ベルギー、オランダ、フランス、ドイツ、英国)

ブリュッセル発

2023年02月01日

欧州内を運行する高速鉄道のユーロスターとタリスが合併し、2022年5月に新しく設立されたユーロスター・グループ(以下、ユーロスター)が2023年1月24日、今後のビジネス戦略とサービス提供に向けた新ブランド「ユーロスター」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ユーロスターとタリスの合併計画は2019年に交渉が開始され、2022年3月末に欧州委員会の承認を受け、2022年5月1日にユーロスター・グループが設立された。この新会社の所在地はブリュッセルとなり、主な持ち株比率は、フランス国鉄(SNCF)が55.75%、ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)が19.31%、ベルギー国鉄(SNCB/NMBS)が18.50%となっている。

2023年10月以降、現在タリスとしてブリュッセル、パリ、アムステルダム、ケルンなどで運行されている列車を含め、全てがユーロスターの名前で運行される。また、ユーロスターとタリスの全運行地域のチケットが単一のウェブサイトで購入可能となる。この結果、大陸側と英国との往来や乗り継ぎ、電車の予約が容易になるという。

「ユーロスター」を統一ブランド名として使用するという決定をした理由は、同名称が、欧州だけでなく、高速鉄道の市場が拡大している北米を含む世界各国で広く認知されているためだという。環境負荷のより少ない移動手段を求める機運が高まる中で、自動車や飛行機の代わりとなる魅力的な移動手段として、2030年までに年間3,000万人の旅客輸送を目指す。

ユーロスターによれば、ロンドンからアムステルダムまでユーロスターで移動した場合、飛行機移動と比較してカーボンフットプリントは7分の1に削減できるという。5カ国(英国、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー)を横断し、2億4,500万人をつなぐ欧州最大の高速鉄道ネットワークとして、より持続可能な交通手段の提案ができるとしている。

(大中登紀子)

(ベルギー、オランダ、フランス、ドイツ、英国)

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