アラブ諸国からシリアに地震に対する緊急支援が到着

(シリア、エジプト、アラブ首長国連邦、トルコ)

カイロ発

2023年02月20日

トルコ・シリア大地震が2月6日に発生してから2週間が経過した(2023年2月8日記事参照)。18日時点で死者数はトルコで3万9,672人、シリアで約5,800人となった。このような中、シリアに対して国外の組織・団体からの被災者支援物資の輸送、弔意外交が行われている。中でも目立つのが、2011年に始まったシリア内戦以降に関係が悪化したアラブ諸国からの積極的な支援だ。

シリア国営メディアSANAによると、地震が発生した6日と翌7日に、シリアの友好国のロシアやイランのほか、アラブ諸国からバーレーン、オマーン、アルジェリア、エジプト、イラク、チュニジア、ヨルダンなどの国家元首や代表が弔意や連帯、支援提供を表明した。また、シリアのバッシャール・アサド大統領はアラブ諸国の元首と電話協議を行ったほか、16日までにレバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダン、イラクの弔問団を受け入れている。

SANAは、首都ダマスカスやラタキアなどシリア国内の空港、またはレバノンを経由して届けられる支援物資の到着を継続的に報道している。日本からの支援物資は2月15日にダマスカスに到着した。目立つのがUAEから輸送される支援物資で、隔日ペースで到着している。UAEの国営エミレーツ通信(WAM)は、UAE政府が16日時点で、国連経由の支援も含めて、総額1億7,700万ドルの支援を提供したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、エミレーツ赤新月社(ERC)が主導し、同国企業と「善の架け橋(Bridge of Goodness)」キャンペーンを立ち上げて44機の航空機を配備し、既に1,660トンの医療や食料などをシリアに提供したという。

アサド大統領は16日の会見で「全ての国々、アラブの兄弟たち、友人たちの支援物資や現地での援助」に感謝すると述べた。

(福山豊和)

(シリア、エジプト、アラブ首長国連邦、トルコ)

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