欧州委のティーマーマンス執行副委員長、ブラジル環境相と脱炭素国際協力の重要性確認、COP30開催候補地も訪問

(ブラジル、EU)

米州課

2023年02月02日

ブラジルのマリーナ・シルバ環境・気候変動相は1月23日、EUで環境交渉を担当するフランス・ティーマーマンス執行副委員長(欧州グリーン・ディール政策総括、気候変動対策担当)と首都ブラジリアで会談を行った。環境・気候変動省が明らかにした。会談の主な目的は、2023年11月30日から12月12日にドバイで開催が予定されている国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)についてで、両者は国際協力の重要性を強調した。

シルバ環境・気候変動相は、二酸化炭素(CO2)の排出量削減をモニタリングするため、国家気候安全局を設立することを明らかにした。会談の中で同環境・気候変動相は「ブラジルにおけるCO2排出量のうち75%は森林伐採による影響や農業活動によるもの」と述べ、エネルギー、農業、輸送、工業といったセクターが政府目標に貢献すること、特に最も緊急の課題として森林破壊の根絶を挙げた。政府は2030年までに森林伐採をゼロにする目標を立てている。

シルバ環境・気候変動相はまた、ブラジルが再生可能エネルギーとグリーン水素で欧州を支援できるとも言及した。また、生物資源の利用に基づく工業生産への取り組みと、持続可能な開発を促進するためのインフラの重要性を挙げ、「世界は健康食品の消費を望んでおり、それはここにある。世界は低炭素製品を望んでおり、それらはここにある」とブラジルの潜在性を強調した。これに対し、ティーマーマンス執行副委員長は、欧州は森林伐採との闘いでブラジルのパートナーであり、環境に配慮した製品生産を促進するため、技術的、資金的支援を行うと述べた。

ティーマーマンス執行副委員長は1月24日、2025年に開催が予定されているCOP30の候補地の1つの北部パラ州の州都ベレン市を訪問し、ハナ・ガッサン副州知事と会談を行った(1月24日付現地紙「テラ」)。会談には、エジミルソン・ロドリゲス・ベレン市長らが同席し、同市でのCOP30開催の可能性について協議を行った。

(辻本希世)

(ブラジル、EU)

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