1月のインフレ率は前年同月比5.28%と上昇も、上昇率は2カ月ぶりに鈍化

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年02月09日

インドネシア中央統計庁(BPS)は21日、1月の消費者物価指数(CPI)の上昇率を前年同月比5.28%、前月比0.34%と発表した(添付資料表、図参照)。5カ月連続で5%を上回ったものの、伸び率は2カ月ぶりに鈍化した。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比3.27%(前月比0.33%)となった。

前年同月比のCPI上昇率は、主要11品目のうち情報・通信・金融サービスを除く10項目が上昇した。最も上昇率が高かったのは輸送で、前年同月比13.91%、5カ月連続で2桁上昇となった。パーソナルケア・その他サービス(6.15%)、食品・飲料・たばこ(5.82%)が続いた。

前月比では、12月に続ういて食料・飲料・たばこの上昇率が最も高く、1.16%だった。パーソナルケア・その他サービス(0.84%)、医療(0.40%)が続いた。一方、輸送は1.15%減少した。

BPSのマルゴ・ユオノ長官は「たばこ製品については、物品税率が10%引き上げられたことが影響している。また、この影響は単月にとどまらず、通年に及ぶだろう」と述べた(「ジャワポス」21日)。

地域別にみると、調査対象となっている90都市の全てで前年同月比では上昇した。上昇幅が最も大きかった都市は、12月に続いて南カリマンタン州のコタバル(7.78%)だった。また、前月比では80都市で上昇し、10都市で低下した。前月比では北スマトラ州のグヌンシトリ(1.87%)が最大の上昇率だった。ジャカルタ首都特別州では、前年同月比3.83%、前月比0.09%の上昇となった。

マンディリ銀行のエコノミストのファイサル・ラックマン氏は今後のインフレ見通しについて、「2023年前半はインフレ率が4%から6%の範囲で動くとみているが、後半には落ち着き、通年では3.6%程度の水準となるだろう」と述べた(「コンタン」131日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

ビジネス短信 94af88dc6105ac3b