出入国管理法改正でビザなし渡航者の滞在期間を制限

(カザフスタン)

タシケント発

2023年02月01日

カザフスタン政府は1月27日から、ビザ免除措置などによるビザなし渡航者の滞在期間に制限を加える改正出入国管理法を施行した(テングリニュース1月27日)。

ビザなしで入国した外国人の滞在可能日数について、内務省の説明によると、a.ユーラシア経済連合(EAEU)加盟国国籍を有する者の場合、入国日から180日の期間内で90日間まで、b.その他の外国人(日本人を含む)の場合、入国日から180日の期間内で90日間までだが、1回当たりの滞在は30日間までと規定している(テングリニュース1月17日)。

今回の法改正により前述の滞在可能日数に変更はないが、滞在期限がくる前に第三国に出国し再入国しても、従来のように180日の期間がリセットされなくなった。このため、無制限にビザなし滞在を続けることができなくなる。日本人でもビザ免除措置で長期滞在する場合は注意が必要だ。滞在期間の延長を希望する場合は、滞在期間中に一時滞在許可(注)またはビザを取得しなければならない。なお、ビザで入国した者と、カザフスタン国民の配偶者などの居住許可取得者はこの制限の対象外(クルシブ1月26日)。

今回の法改正の目的について公式な発表はない。一方、ロシアからの大量の移民による国内の労働市場圧迫や不動産市場の高騰、インフレ助長などの経済問題に加え、民族的憎悪をあおる動きなどが拡大して社会不安が高まるリスクがある中、政府はビザなし渡航者の滞在期間を制限し、滞在ステータスを明確にすることで、外国人の管理を強化する目的があると推測されている(フォーブス・ロシア1月25日)。

(注)一時滞在許可の取得は、カザフスタン国籍を持つ親族を有する移民目的の個人、カザフスタンの企業と労働契約を結んだ個人、カザフスタンの教育機関で学ぶ留学生、カザフスタンで長期治療を受けている患者などが申請することができる(フォーブス・ロシア1月26日)。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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