COMESA、EAC、SADCが拡大自由貿易圏の実現へ、3地域経済共同体高級実務者会合

(アフリカ、ケニア)

ナイロビ発

2023年02月07日

ケニアの首都ナイロビで1月25~26日、第17回3地域経済共同体高級実務者会合(TCSO)が開催され、COMESA(東南部アフリカ市場共同体)、EAC(東アフリカ共同体)、SADC(南部アフリカ開発共同体)の3つの地域経済共同体が目指す拡大自由貿易圏(TFTA:Tripatite Free Trade Agreement)実現に向けた議論が行われた。

TFTAは、3つの経済共同体を横断する政策の実施を通じて、アフリカ南北地域と東部地域の経済統合を強化することを目的としている。重点分野は貿易、税関、インフラ開発、工業化。TFTAは2015年6月10日に調印、29カ国で構成しており、2019年現在、アフリカ大陸全体のGDPの60%(約1兆8,800億ドル)を占め、人口は8億人に及ぶ。現在11カ国(注)が批准している。最終的に14カ国の批准がなされると発行されることとなっており、残り3カ国の批准が必要となる。

3地域経済共同体タスクフォース議長を務めるCOMESA通商税関事務局長のクリストファー・オニャンゴ氏は「TFTAをまだ批准していないCOMESA加盟国に対し、署名をするよう促すなど、戦略的なアプローチを行っている。2023年央までにTFTA締結・発効に必要な残り3カ国以上の署名を得ることができるだろう」とし、TFTA発効に向けた動きが加速していることをアピールした。同氏は内部交渉と協議が進んだ国として、タンザニア、コンゴ民主共和国、南スーダン、マラウイ、レソト、コモロを挙げた。

なお、今回のTCSOに先立って、1月24~25日に、第21回3地域経済共同体貿易交渉フォーラム(TTNF)が開かれており、3地域経済共同体の代表者が地域統合を実現するために不可欠な市場統合、インフラ統合、産業統合という3つの柱について検討を行っていた。

(注)現在批准しているのは、エジプト、エスワティニ、ケニア、南アフリカ共和国、ルワンダ、ブルンジ、ウガンダ、ボツワナ、ナミビア、ザンビア、ジンバブエ。

(中川翼)

(アフリカ、ケニア)

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