BMW、8億ユーロ投入してEV生産と高電圧バッテリー製造工場の新設発表

(メキシコ)

メキシコ発

2023年02月06日

ドイツ自動車大手BMWグループは2月3日、メキシコ中央高原地帯のサンルイスポトシ州内に立地する同社既存工場で電気自動車(EV)を生産しすることや、同グループにとってメキシコで初めてとなる高電圧バッテリー製造工場を同工場敷地内に新設することを発表した(同社ウェブサイト2月3日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。投資額は8億ユーロで、新たに1,000人の雇用を創出する。

新たに生産するEVは、同工場で既に生産している2シリーズ、2シリーズ・クーペ、M2に続く4つ目のモデルとなる100%電動車の「NEUE KLASSE(ノイエ・クラッセ)」で、2027年の出荷開始を見込んでいる。関連業界団体の発表によると、「NEUE KLASSE」には、新型円筒形リチウムイオンバッテリーを使用する予定だ。これにより、エネルギー密度が高くなり、充電速度が20%、航続距離が30%まで向上する(2月3日付現地紙「インダストリー・クラスター」)。

投資額8億ユーロのうち5億ユーロは、8万5,000平方メートルの高電圧バッテリー製造工場の建設に使われる。ここで製造するバッテリーが「NEUE KLASSE」に直接装備される。

2月3日に行われた発表式典には、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領のほか、マルセロ・エブラル外相、リカルド・ガジャルド・カルドナ・サンルイスポトシ州知事も出席し、BMWのサンルイスポトシ工場が地元やメキシコ国内にもたらす好影響に期待を寄せた。

EV充電スポット拡充のため、EV充電スポットプラットフォームとの連携強化

BMWグループ・メキシコは1月26日、EV充電スポットの販売と設置を手掛けるドミニカ共和国発のエベルゴとの連携強化を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この中で、メキシコ市内に出力DC50キロワット(kW)の充電器3台とAC19kWの充電器6台を備えた充電スポットの運用開始も明らかにした。BMWグループ・メキシコはエベルゴと連携し、向こう5年間で4,000台以上の充電器を導入し、公共充電スポットの拡充を図る。

(渡邊千尋)

(メキシコ)

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