非居住者の銀行口座開設手続き要件を厳格化

(ウズベキスタン)

タシケント発

2023年02月27日

ウズベキスタン中央銀行は2月9日、「銀行口座の開設・運用・閉鎖手続きについて」(中央銀行決定第30/18号、2023年2月8日付法務省登録第3420号)を発表した。非居住者法人・個人の銀行口座開設手続きを変更した。非居住者による銀行口座の開設にかかる期間を従来の1営業日から15暦日とした。同決定では、非居住者個人に対し、銀行口座開設時に、個人識別番号(PINFL、ピンエフエル)の提示を法的に義務付けた。銀行に対しては、口座開設希望者にウズベキスタンでの居住登録証明書と雇用・就学を確認する書類の提示を要求する権利を与えた。

この変更の背景について、中銀の担当者は2月15日にジェトロのヒアリングに対し、「銀行が1営業日以内に本人確認手続きを適切に行う時間がないため、銀行の要請に応じて延長した」と説明した。

2022年2月以降、主としてロシア、ウクライナ、ベラルーシからの非居住者がウズベキスタンで1営業日以内に銀行口座を開設し、国際決済カードであるビザやマスターカードを作成できることに注目し、特にロシアからのカード作成を主目的とした旅行パッケージ「カードツアー」の需要が著しく増加した(2022年7月26日記事参照)。ウズベキスタン中銀のママリゾ・ヌルムラトフ総裁は、2022年1~9月に約6万7,000人のロシア人がウズベキスタンで銀行口座を開設した、と述べている(ネットメディア「スポット」2022年10月31日)。

今回導入された改正内容の大部分は、2022年夏以降すでに市中銀行によって実施済みの措置となる。2022年8月ごろから非居住者のPINFL提示を求めはじめ、2022年9月から2023年1月中旬にかけて、ほぼ全ての銀行が申請書提出前連続15日間のウズベキスタン滞在を追加の条件とした。その結果、ウズベキスタン向けの「カードツアー」ブームは終了している。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン)

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