米トラックメーカー大手ナビスター、ヌエボレオン州のキャビン塗装工場拡張に1.2億ドル投資発表

米国大手トラックメーカーのナビスターは2月3日、メキシコのヌエボレオン州エスコベド市にあるキャビン塗装工場を拡大するため、1億2,000万ドルを投資し、6,200人を雇用することを発表した（「エル・エコノミスタ」紙2月3日）。同社オペレーション部門の副社長を務めるマイケル・グレイ氏は「この投資は、顧客のニーズや市場の需要を先取りし、ナビスターの進歩を加速させるとともに、エスコベド工場の品質向上とサステナビリティーを強化する機会になる」と述べた。また、ナビスター・メキシコ・エクスポーテーションのベルナルド・バレンスエラ社長は「ナビスターが行う投資はヌエボレオン州とメキシコで事業を拡大し続ける自社の長期的なコミットメントの表れ」と語った。

ナビスターは1998年以来、エスコベド工場で85万台以上の自動車を生産してきた。メキシコでは唯一、電気自動車（EV）トラックを生産しているメーカーでもある。エスコベド工場の敷地面積は110ヘクタール以上、年間6万7,000台の生産能力を有し、主に米国やカナダ向けに輸出している。生産を始めてから20年以上経つが、これまでに生産部門で4億6,200万ドルの投資を実行してきた（「エル・エコノミスタ」紙2月3日）。

ヌエボレオン州のプレスリリースによると、同社の事業拡大を発表する式典でサムエル・アレハンドロ・ガルシア・セプルベダ同州知事は「今回の投資はヌエボレオン州の国外からの投資誘致のポテンシャルの高さを示す」と説明した。さらに「ヌエボレオン州は依然としてメキシコ経済の原動力となっており、近い将来、ラテンアメリカ全体の原動力にもなりえるだろう」と述べ、同州の市町村が対内直接投資の恩恵を受けられるように州政府が支援することを示唆した。同州のイバン・リバス経済相は「州にとって自動車産業は不可欠な産業で、2022年の州への投資額のうち24％を自動車産業が占めている。ナビスターのような企業が市民のために雇用と機会を創出しながら拡大し続けていることを誇りに思う」と語った。

（阿部眞弘）