中国の気球撃墜は「遅過ぎた」と6割強が回答、米世論調査

(米国、中国)

米州課

2023年02月20日

米国のバイデン政権は2月4日に米国上空の中国の気球を撃墜したが、世論調査でその対応が遅過ぎたと6割強が回答した。

米国ハーバード大学アメリカ政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスは2月17日、中国の気球撃墜などに関する世論調査結果(注1)を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。米国の上空を1週間以上飛んでからの撃墜に対して、バイデン政権の対応が「遅すぎた」とする割合は63%で、「慎重だった」は37%だった。この問題を受け、バイデン政権はアントニー・ブリンケン国務長官の訪中を延期し(2023年2月6日記事参照)、気球の製造に関与したとされる中国企業へ制裁を科したが(2023年2月13日記事参照)、こうした対応については、「少な過ぎ」41%、「ちょうどよい」39%、「やり過ぎ」20%と、意見が分かれた。

また、バイデン政権が撃墜した気球について、知っている情報を開示すべきとの回答は75%だった。米国議会が気球について調査することに「賛成」が82%と大多数だった。追加で撃墜した飛行物体が偵察目的であることが判明した場合、米国は中国に対してさらなる懲罰的措置を取るべきと77%が回答した。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが2月15日に発表した世論調査PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注2)では、中国の気球を撃墜したことは「正しい決定」と79%が回答した。人的被害を避けるために撃墜までの時間がかかったことについては、「正しい決定」が55%で、「誤った決定」は31%だった。

中国を敵対国とみなす割合は43%と、ロシアの54%には及ばないものの、12月の調査結果の37%より6ポイント高かった。

選挙情報サイトのリアルクリアポリティクスによると、ジョー・バイデン大統領の支持率平均は、2月10日(44.4%)を境に下降傾向で、18日には43.6%だった。

(注1)実施時期は2月15~16日、対象者は全米の登録有権者1,838人。

(注2)実施時期は2月11~14日、対象者は全米の成人1,500人。

(松岡智恵子)

(米国、中国)

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