ハンガリー、総額7,000億フォリントの企業向け低利融資プログラムを開始
(ハンガリー)
ブダペスト発
2023年02月01日
ハンガリー経済発展省は1月23日、企業向けの新たな融資制度「バロッシュ・ガーボル再工業化プログラム」を発表した(注)。同省は「企業は苦境に立たされ、エネルギー価格、原材料価格、インフレ率は急上昇し、金利は手の届かない高さにあり、金融市場が凍結状態に陥る恐れがある」と説明している。
このプログラムは総額7,000億フォリント(約2,520億円、1フォリント=約0.36円)の予算枠が設定されており、設備資金と運転資金のいずれでも融資を受けることが可能。企業規模は問わず、全企業が対象となる。貸付金利は、フォリント建てで年6.0%(エネルギー効率を高めるグリーン投資では5.0%)、ユーロ建てで3.5%(グリーン投資では3.0%)と上限利率が設定されている。融資の仕組みについては、添付資料表参照。
融資の申し込み受付は、2月1日に開始、12月15日に終了の予定。
経済発展省は、平均20%前後という現在の高金利環境において、このプログラムを通して企業は安価な資金調達が可能となるよう支援するものとしている。
融資プログラムは、具体的には、以下の8つの目的に分かれている。
- バロッシュ・ガーボル再工業化 運転資金融資
- バロッシュ・ガーボル再産業化 投資資金融資
- バロッシュ・ガーボル再産業化 グリーン融資
- バロッシュ・ガーボル再産業化 リーシング
- EXIM輸出前ファイナンス 投資資金融資
- EXIM輸出前ファイナンス 運転資金融資
- フューチャーエクスポーターズ 投資資金融資
- フューチャーエクスポーターズ 運転資金融資
融資プログラムの詳細は、プログラムの実施と資金調達を担当する国営銀行(Eximbank)のホームページ(ハンガリー語)で閲覧可能だ。なお、詳細情報の掲載開始は2月1日となっている。
融資の規模に応じて、商業銀行(融資額20億フォリントまで)またはEximbank(融資額20億フォリント以上)のいずれかに問い合わせる。
経済発展省は、この融資プログラムがハンガリーの2023年の景気後退の回避と、政府予測の2023年経済成長率1.5%、2024年以降は4%超への到達に大きく貢献することを期待している。
(注)バロッシュ・ガーボルは19世紀の運輸相。ハンガリーでは国に貢献した人物の名前を冠に命名することがよくある。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー)
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