相次ぐエネルギー価格の値上げ、電力価格は2カ月連続で上昇

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年02月28日

バングラデシュ政府は、2月から電力の卸売価格を平均で約7%、小売価格を平均で約5%、それぞれ値上げすることを発表した。小売価格については、1月にも5%の値上げを実施したばかりで、2カ月連続での値上げとなる。

従来、電力やガスなどのエネルギー価格の変更は、エネルギー規制委員会(BERC)による利害関係者へのヒアリングを経て実施されていた。しかし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻に伴い、国際的なエネルギー価格の急激な高騰を受け、同委員会のヒアリングを経ずに政府がエネルギー価格を改定できるような法改正が実施された。今回、2カ月連続で電力価格が値上がりしたように、今後は必要に応じて毎月、ガスおよび電力の価格が政府の判断で調整されることとなる。

工業用、発電所用、ホテル・レストラン用のガスの小売価格についても2月から大幅に値上げ(用途ごとに14.5%~178.9%)されることが発表されており、バングラデシュで操業を行う製造業を中心とした企業にとって、エネルギー価格の高騰によるコスト増が悩みの種となっている。

現地報道によると、1月30日に総額47億ドルのバングラデシュへの融資を承認したIMF(2023年2月8日記事参照)が、政府のエネルギー補助金の削減を目的に、エネルギー価格の値上げを融資条件として政府に要求していることが相次ぐ値上げの背景にあるとされる(「ビジネス・スタンダード」紙2月15日)。

2023年2月時点の電力およびガスの小売価格は添付資料を参照されたい(注)。

(注)添付資料は、ベンガル語だったものをジェトロにおいて仮訳。

(薄木裕也)

(バングラデシュ)

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