2022年の中ロ貿易は輸出入とも2桁増、貨物自動車などでロシアが最大の輸出先に

ジェトロがグローバル・トレード・アトラスを基に2022年の中国の対ロシア貿易（ドルベース）をまとめたところ、輸出額は前年比12.8％増の762億6,480万ドル、輸入額は43.2％増の1,122億2,531万ドルだった。これにより、中国側の貿易赤字は359億6,051万ドルとなり、前年から252億550万ドル拡大した。

中国の貿易相手先を国・地域別にみると、ロシアは輸出額では16位となり前年から順位を3つ下げた。その一方、輸入額では前年の11位から7位に浮上した。

中国の対ロシア輸出について、HSコード4桁ベースで金額順上位10品目をみると、品目によって増減の傾向が大きく分かれた（添付資料表1参照）。

1位の電話機（8517）（前年比23.5％減の41億1,971万ドル）と2位の自動データ処理機械（8471）（11.2％減の29億3,102万ドル）はいずれも前年から2桁減となった。これら2つの情報通信機器の減少幅は、中国のそれぞれの品目の対世界輸出の減少幅（7.5％減、8.1％減）を上回った。なお、それぞれの品目の中国の輸出額全体に占めるロシアの構成比は2％未満にとどまった。

他方、3位から10位までの8品目は、前年から軒並み増加した。特に増加が顕著だったのは、3位のブルドーザー、アングルドーザー、メカニカルショベルなどの建設機械（8429）（前年比2倍の17億675万ドル）、5位の貨物自動車（8704）（4.3倍の15億2,668万ドル）、7位のゴム製タイヤ（4011）（2.1倍の11億1,348万ドル）など。いずれの品目も同品目の対世界輸出の伸び率を大きく上回った。うち、ブルドーザーなどの建設機械（8429）および貨物自動車（8704）では、ロシアが中国の最大の輸出先となった。

対ロ輸入、原油輸入額は4割増もロシアの構成比は横ばいで推移

輸入について、HSコード4桁ベースで上位10品目をみると、うち上位4品目は第27類に属する鉱物性燃料で、これらで輸入額全体の73.3％を占めた（添付資料表2参照）。いずれも金額ベースで前年から大幅に増加したが、数量ベースでは、3品目は増加したもののその伸び率は金額の伸び率を下回り、1品目は減少した。国際的な資源価格の上昇がこれらの品目の輸入額を押し上げたとみられる。

うち、輸入額全体の50.4％を占め最大の輸入品目である原油（2709）は、前年比43.4％増の565億7,869万ドルと大幅に増加し、全体の伸びを牽引した。しかし、数量ベースでは1桁台の伸び（8.3％増）にとどまった。

また、中国の原油輸入額全体に占める主要相手国別の構成比の推移をみると、ロシアの構成比は過去5年間にわたり15％台で推移しており、大きな変動はなかった（添付資料図参照）。

（小林伶）