米サザンカリフォルニア・ガス、住宅用グリーン水素の実証実験用住宅「H2」イノベーションエクスペリエンスを開設

(米国)

ロサンゼルス発

2023年02月08日

米国カリフォルニア州のガス供給会社サザンカリフォルニア・ガス(SoCalGas)は1月30日、ロサンゼルス近郊のダウニーのエネルギーリソースセンター内に、グリーン水素(注)を活用した実証実験用住宅「『H2』イノベーションエクスペリエンス」を開設した。同社によるとグリーン水素を活用した実証実験用住宅としては北米初だという。

住宅は2階建てで、太陽光発電を利用して水から生成した水素を利用して住宅内の電力として供給している。水素は、燃料電池として住宅内の照明や電気製品に電力として利用するだけでなく、水素20%と天然ガス80%を混合することでタンクレスの給湯機、乾燥機、レンジやオーブン、ヒーターやバーベキューグリルなど、生活に必要なあらゆる製品に使用される。サザンカリフォルニア・ガスは、今回の実証実験を通じて、再生エネルギーを用いたグリーン水素エネルギーの可能性を広めたい考えだ。

サザンカリフォルニア・ガスは2045年までに温室効果ガス(GHG)のネット排出量ゼロという目標を定めており、現在供給している化石燃料を再生可能な燃料に代替品に置き換えることで、脱炭素社会で大きな役割が果たせると考えている。「『H2』イノベーションエクスペリエンス」のオープニングイベントに参加したカリフォルニア州のエレニ・クナラカス副知事は「商業用・住宅用の建築物は、推定で州全体の(GHG)排出量の25%を占めている。太陽光やグリーン水素などのクリーンエネルギーを建築物に使用することは、州全体の排出量削減に大きな一歩を踏み出すことになる」と述べた。

(注)再生可能エネルギー由来の電力を利用した、水分解により生成される水素。生成過程で二酸化炭素を排出することなく製造が可能。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

ビジネス短信 3869f646857b09c4