米カリフォルニア州議会、無人の自動運転トラック禁じる法案提出

(米国)

サンフランシスコ発

2023年02月08日

米国カリフォルニア州議会で1月26日、トラック運転手の雇用確保などを目的に、人間のセーフティーオペレーターが同乗しない大型トラックの自動運転車(AV)の試験走行や商業利用を禁止する法案(AB-316)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが提出された。重量1万ポンド(約4,536キログラム)以上の車両が対象となる。

同州では、AVによる配車サービスの商業化や(2022年6月7日記事参照)、AVデリバリーの試験運用(2022年5月24日記事2022年9月15日記事参照)が始まっているが、同州運輸局(DMV)は現時点で、自動運転技術を利用可能な車両を重量1万ポンド未満に限定している。しかし、DMVが今後大型トラックにも自動運転技術の利用を認める場合を想定して、この法案が提出されたとみられる。1月30日に州都サクラメントで開かれた同法案の支持者による集会に参加したトラック運転手は「トラック運転手の仕事は、自分にとって単なる仕事ではない。家族の生活がかかっている」と述べた(オートモーティブニュース1月31日)。

一方で、自動運転技術を開発するウェイモや物流大手のUPSなど34社は2022年6月、ギャビン・ニューサム知事(民主党)に対し、DMVが定める自動運転トラックの禁止を再考するよう書簡を送付している(2022年7月1日記事参照)。また、テキサス州などでは、自動運転トラックの商業化に向けた動きがみられる(2021年6月21日記事参照)。

(田中三保子)

(米国)

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