ルーラ大統領と欧州委員長が電話会談、EUメルコスールFTA実現へ取り組み強化継続を確認

(ブラジル、EU、メルコスール、フランス)

米州課

2023年02月22日

ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領は216日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と電話会談を行った。同日付のブラジル政府系紙「アジェンシア・ブラジル」が報じた。

両者は森林破壊への対策実施や、EUメルコスール自由貿易協定(FTA)発効に向けた取り組みを強化・継続することを確認した。ルーラ大統領は自身の公式ツイッターを通じ、「より良い世界を確立するため、共通の課題を前進させ、ブラジルとEUがより強固な経済関係を維持するために両国のパートナーシップを強化する」と述べると同時に、フォン・デア・ライエン委員長にブラジル訪問を呼び掛けた。これに対し、同委員長も自身の公式ツイッターで「われわれはブラジルとのパートナーシップ強化を強く望んでおり、特にメルコスールとの協定を完結させたい。森林破壊に対してもともに闘う」と述べ、ブラジル訪問にも意欲を示した。

216日付「CNNブラジル」によると、2025年に開催が予定されている国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の開催誘致についても協議された。ブラジル外務省は20231月、北部パラ州の州都ベレン市でのCOP30開催誘致を正式に発表している。

217日付「ロイター」によると、フランスのマルク・フェノ農業・食料主権相は、ルーラ大統領が大統領に就任したことで、気候変動や森林破壊に関する問題が進展するかどうか注視していると述べた。「ロイター」によると、フランスは、2019年に政治合意したものの現時点でも署名に至っていないEUメルコスールFTAの発効に強く反対している国の1つ。欧州委員会やドイツはフランスに対し、協定発効に向け対話を再開することを求めている。

(辻本希世)

(ブラジル、EU、メルコスール、フランス)

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