2022年中国のゲーム市場、売上高は前年比10.3%減
(中国)
広州発
2023年02月24日
中国音像・デジタル出版協会は2月12~14日、広州市黄埔区人民政府や広州開発区管理委員会と「2022年度中国ゲーム産業年会」を広州市で共催した。年会で協会第1副理事長の張毅君氏は「2022年の中国ゲーム産業報告」を発表した。報告によると、2022年の中国のゲーム市場の売上高は前年比10.3%減の2,658億8,400万元(約5兆3,176億8,000万円、1元=約20円)、ユーザー数は同0.3%減の6億6,400万人で、ともに8年ぶりの減少となった。
また、中国における自社開発ゲームの国内での売上高は前年比13.1%減の2,223億7,700万元、国外での売上高は同3.7%減の173億4,600万ドルと、国内の売上高の減少幅を下回った。国外での売上高トップ100の自社開発スマホゲームをジャンル別でみると、ストラテジーが38.8%、ロールプレイングが12.8%、シューティングが12.4%を占めた。主な国外市場は米国(32.3%)、日本(17.1%)、韓国(7.0%)だった。
スマホゲームでは、ロールプレイングの売上高がトップ
スマホゲームの売上高をみると、前年比14.4%減の1,930億5,800万元で、ユーザー数は同0.2%の6億5,400万人と微減にとどまった。なお、国内での売上高は全体の72.6%を占めたものの、5年ぶりに減少した。売上高トップ100のスマホゲームをジャンル別でみると、ロールプレイングが24%を占め、カード(12%)、ストラテジー(11%)が続いた。
また、ゲーム産業報告では、今後の同産業の発展について、以下の方向性を示している。具体的には、(1)指導・管理とコンテンツ創造を促進し、産業の健全な発展を推進する、(2)製品の品質向上を重視し、エコシステムを改善する、(3)企業の国外進出により中国のゲーム産業の国際化がますます進行する、(4)「ゲーム+」(注)による他の産業との提携や融合を推進する、(5)中国の伝統文化を生かしたコンテンツ作りを促進する。
なお、ゲーム産業年会では上述の報告のほかに、中国最大のゲームショー「チャイナ・ジョイ」についても紹介があった。同ゲームショーは2022年に新型コロナウイルス感染拡大により中止となったが、7月28~31日に上海市でハイブリッド形式で開催される予定という。
(注)「ゲーム+医療」、「ゲーム+科学」、「ゲーム+観光」など、ゲームとあらゆる産業が融合することで、これまでの産業に新たな可能性を生み出すこと。
(梁梓園)
(中国)
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