タイ、EUとのFTA交渉を再開へ

(タイ、EU)

バンコク発

2023年02月02日

タイのジュリン・ラクサナウィシット副首相兼商務相は125日、欧州委員会のバルディス・ドムブロフスキス執行副委員長(経済総括、通商担当)とベルギーのブリュッセルで会談を行った。ジュリン副首相は政府の交渉団代表としてEUを訪問しており、EUとの自由貿易協定(FTA)交渉再開に向け、タイ側の政治的意思を表明した。

商務省の発表によると、タイとEUの双方はFTA締結に向けた交渉を再開するため、国内手続きを始めることで合意したという。タイとEUが共同で政治的な意思を示すのは今回が初めてだという。ジュリン副首相は2週間以内に会合の結果をタイの閣議に報告・提案し、迅速に承認を得る意向を表明した。また、同副首相によると、EU側も27の加盟国から早期承認を得る見込みだという。国内手続きは2023年第1四半期(13月)中に完了することが期待されている。

タイはEUとのFTA交渉に意欲的で、締結が実現すれば、ASEAN加盟国としてはシンガポール、ベトナムに次ぐ3カ国目となる。EUとのさらなる貿易拡大が期待されるほか、外資企業の生産拠点誘致にもアピール要素となる。

タイにとってEU4番目に大きな貿易パートナーだ(中国、米国、日本に次ぐ)。2022年のタイの対EU貿易総額は前年比2.9%増の4103,800万ドルで、タイの貿易全体の7%を占めている。タイの対EU輸出額は5.2%増の2279,400万ドルで、主な輸出品目はコンピュータ・同部品、自動車・同部品、エアコン・同部品、ゴム製品、宝石・貴金属、鶏肉加工品などがある。タイの対EU輸入額は0.1%増の1824,400万ドルで、主な輸入品目は機械類、化学・医薬品など。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、EU)

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