英政府、ゼロ排出航空技術の開発に向けた投資を発表

(英国)

ロンドン発

2023年02月21日

英国政府は2月7日、水素や電気を用いた航空技術開発に向けた1億1,300万ポンド(約181億9,300万円、1ポンド=約161円)の投資を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。航空技術研究所(ATI)のプログラムを通じ、業界団体と共にゼロ排出の航空技術開発プロジェクトを支援するとしている。

対象となるプロジェクトには、英国電動航空機企業のバーティカルエアロスペースによる軽量バッテリーの開発や、ロールスロイスが主導する液体水素を燃焼するジェットエンジンの開発が含まれている。

今回の発表は、政府と英国の業界団体のパートナーシップによるジェットゼロ評議会で行われたもの。同評議会は、ジェットゼロ戦略(2022年7月28日記事参照)に基づき設立され、先進技術と持続可能な航空燃料(SAF)への投資を通して、航空分野の2050年までのネットゼロ達成を目標としている。

また、政府はこれに合わせ、イングランドの空港運営を2040年までにゼロエミッション化する目標の設定に向け、意見公募を開始外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。5月2日まで意見を集め、政策設計に役立てるとしている。

政府は2022年末にもSAFプログラムを通じて、家庭ごみや産業廃棄物をジェット燃料に変換する施設の建設プロジェクトに取り組む5社に対して、総額1億6,500万ポンドの資金を提供した。

英国のヴァージン・アトランティック航空も政府による支援を受け、2023年にロンドンからニューヨークへ運航の予定で、100%SAFを利用した大西洋横断飛行としては世界初となる。

(レイナー・あや)

(英国)

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