ボルソナーロ前大統領支持者ら、議会や大統領府、最高裁を襲撃、政府は治安維持強化へ

(ブラジル)

サンパウロ発

2023年01月10日

ブラジル大統領府は1月8日、首都のブラジリア連邦直轄区に所在する議会、大統領府、最高裁判所がジャイール・ボルソナーロ前大統領の支持者とみられる人々に襲撃されたことを受け、同地区の治安維持を目的に、1月8日付政令11,377号を公布、即日施行した。

これにより、連邦政府は1月31日まで、ブラジリア連邦直轄区州知事の管轄である同地区の治安維持に介入することが可能になった。連邦政府は法務・治安省のリカルド・ガルシア・カペリ筆頭局長を臨時行政官に指名し、同臨時行政官はブラジリア連邦直轄区の治安維持に必要な資金や人的資源などを要求できる。

政権与党、襲撃の指示系統や資金源を明らかにすべきと公表

ボルソナーロ前大統領は1月8日付の公式ツイッターで「公共建築物の略奪や侵入はルールから外れたもの」とコメントした。一方、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領が所属する労働者党は1月9日付の公式サイトで、同党の全国執行委員会の文書として、襲撃グループの行為を「テロリスト」や「ファシスト」と表現するとともに、襲撃の責任の所在や指示系統、資金の出どころなどを明らかにする必要があると述べている。法務・治安省は1月9日付公式サイトで、襲撃に関与した1,500人を拘束したと明らかにした。

1月9日には、サンパウロ州の目抜き通りのパウリスタ大通りで、ブラジリア連邦直轄区での襲撃に反対するデモが行われた。

(古木勇生)

(ブラジル)

ビジネス短信 fb63f86f6f74d950