カスピ海・黒海の海上輸送強化に向けUAEと合弁会社を設立

(カザフスタン、アラブ首長国連邦)

タシケント発

2023年01月26日

カザフスタンの国営石油公社カズムナイガス(KMG)は1月17日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ港湾公社(ADPORTS)とカスピ海、黒海の海上輸送および港湾開発に関する戦略パートナーシップに合意したと発表した。

合意書の調印は、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領のUAE公式訪問に合わせて、首都アブダビで行われた。両社はKMGの子会社カズモルトランスフロート(KMTF)とADPORTSの子会社インターナショナル・マリタイム・インベストメンツを通じて、アスタナ国際金融センター(AIFC)を拠点に合弁会社を設立する。

本合意書調印に先立ち、2022年12月にKMTFとADPORTSが締結した文書によると、同合弁会社は、a.カスピ海におけるオフショア石油ガス田開発プロジェクト向けの海上輸送サービスの提供、b.7年間の原油タンカー運航プール(注)契約締結による、カスピ海と黒海におけるカザフスタン産原油の輸送能力の強化(中期目標として年間800万~1,000万トン)を事業の柱とし、需要が見込まれるカスピ海横断国際輸送路(TCICR)やカスピ海南北国際輸送路向けにコンテナ輸送用フィーダー船や、ドライカーゴ用RO-RO船の充実も検討していく。出資比率はKMTFが49%、ADPORTSが51%(ADPORTSウェブサイト2022年12月28日)。

ADPORTSは、2006年に設立されたUAEの持ち株会社で、港湾インフラ、海上輸送、油田開発などさまざまな事業をグローバルに展開している。KMTFは、カザフスタンで最新の船団を有する国営海運会社で、カスピ海と黒海において主に石油の海上輸送を手掛ける。

今回のパートナーシップ合意で、中央アジア地域での共同事業の立ち上げを戦略的優先事項に掲げるUAE側は、カスピ海の油田開発および物流への影響力を拡大することができる。一方、石油ガスなどの輸出ルート多様化が急務であるカザフスタン側は、ADPORTSのノウハウや船舶が提供されることでインフラ整備や輸出機会の増加につながることを期待している。なお、カスピ海沿岸のカザフスタン主要港であるアクタウ港は、UAEの主要ターミナルオペレーターであるDPワールドが運営に協力している。

KMGのマグズム・ミルザガリエフ会長は、ADPORTSとの合弁会社設立により、カスピ海と黒海での輸出能力強化と、石油ガス田の開発の可能性を広げ、カザフスタン経済とインフラ発展に大きく貢献すると述べている(ADPORTSウェブサイト2023年1月18日)。

(注)海運会社(オペレーター)、船主(オーナー)が船舶を持ち寄り、荷主など用船者の求めに応じて輸送を請け負うこと。

(増島繁延)

(カザフスタン、アラブ首長国連邦)

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