香港、中国本土との隔離なし往来再開について発表

(香港、中国)

香港発

2023年01月10日

香港特別行政区政府は1月5日の記者会見で、新型コロナウイルス対策に伴って8日から実施の中国本土との往来に関する新たな手続きについて発表した。香港から中国本土へ、集中隔離なしで1日当たり最大約6万人が入境できることになる。中国本土では、同日から入境者への集中隔離を撤廃することになっており(2022年12月28日記事参照)、その内容に沿ったものとなっている。なお、中国本土から香港への入境人数も1日当たり最大約6万人となる。

今回、中国本土との往来再開の第1段階として通行が可能となったのは、陸路3カ所、海路2カ所、空路、香港・珠海・マカオ大橋(港珠澳大橋)の合計7カ所。香港から中国本土への入境人数については、海路、空路、港珠澳大橋は合わせて1日当たり約1万人を想定。それぞれ人数制限は設けず、フェリーや飛行機、バスのチケットが購入できれば、入境可能としている(各交通のチケット販売数によって人数を制御)。陸路については、1日当たりの上限人数を次のとおり定めている。

  • 深セン湾口岸(1万人)
  • 文錦渡口岸(5,000人)
  • 落馬洲(福田)口岸(3万5,000人)

香港から中国本土に入境する場合、入境前48時間以内のPCR検査の陰性結果を税関健康申告書に記入する必要がある(2023年1月10日記事参照)。また、陸路と港珠澳大橋をバス以外の自家用車やタクシーなどで通過する際には、香港政府のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから事前にオンライン予約を行い、予約証明書を携帯する必要がある(中国本土の住民が本土へ戻る場合は事前予約不要、注)。

オンライン予約システムの受け付けについては、まずは第1弾として1月8日から3月4日までの8週間分の予約枠(時間帯は午前、午後、夜の3区分)が設定されており、1月15日午前9時(香港時間)に、第2弾として3月5日から同月11日までの1週間分の予約枠が新たに設定される予定。

経済活動の活性化に期待

香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は記者会見で、中国本土との往来が香港経済に与える影響は非常に大きいと述べた。また、人的交流によりビジネスや公務、旅行などさまざまな経済活動が再開され、飲食店や小売り、観光に加えて、交通機関など周辺産業にも影響を与えると指摘。香港が国際都市としての役割をより発揮していけるよう努力していくとコメントした。

(注)深セン市から香港に入境する場合の手続きについては、2023年1月10日記事参照

(山口雅史)

(香港、中国)

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