ボゴタ市が自家用車の走行規制を強化、市民は「亀作戦」で反発

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年01月11日

ボゴタ市は1月6日、政令003号を公布し、新たな自家用車走行規制を発表した。コロンビアの主要都市では、大気環境改善や渋滞緩和を目的として、自家用車の走行規制を敷いているが、ボゴタ市は1月10日から規制を強化した。

具体的には、月曜~金曜日において、ナンバープレート末尾が1~5の車両は偶数日、6~0の車両は奇数日に、午前6時から午後9時まで走行できなくなる。違反者には52万2,900ペソ(約1万5,687円、1ペソ=約0.03円)の罰金が科されるだけでなく、車両は交通局管轄の指定場所へ牽引される。

これまでもナンバープレートによる利用規制はあったが、末尾番号が偶数の車両は偶数日、奇数の車両は奇数日に走行できなかった。しかし、毎日、車を使うために偶数と奇数の車両を2台保有する世帯が増え、市内各所での道路工事の影響もあり渋滞が悪化している。新たな規制では、例えばナンバープレート末尾が4と5の車両を持つ世帯では、両車両とも奇数日にしか利用できなくなり、2台保有するメリットはなくなってしまう。政令ではさらに、市内交通状況を見て走行規制の対象日を不定期で交代することも加えられた。また、これまでは、運転手を含め3人以上が乗車している車は規制の対象外だったが、1月10日以降は規制対象となる。

ボゴタ市としては、とにかく市内を走る車の数を減らしたい考えだ。ボゴタ市のクラウディア・ロペス市長はこれまでも、幹線道路の一部を自転車専用レーンに置き換える、走行規制の時間を拡大するなど、走行車数を減らすための厳しい措置を取ってきた。新規制導入により、走行車両を15万台減らし、10%の渋滞緩和につなげる狙いだ。なお、電気自動車やゼロエミッション車、ハイブリッド車はこれまで同様、規制の対象外とされた。

市民は反発している。規制強化初日の1月10日、市内幹線道路では反対派の市民らが抗議の「亀作戦(プラン・トルトゥーガ、道路を亀のようにゆっくりと走行しながら行うデモ)」を行った。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

ビジネス短信 cff2f816a81155e6