中国の秦剛・新外相がアフリカ訪問、中国外相のアフリカ外遊は33年連続

(中国、アフリカ、エチオピア、ガボン、アンゴラ、ベナン、エジプト)

中東アフリカ課

2023年01月18日

中国の新外交部長となった秦剛氏は1月11~16日にかけ、エチオピア、ガボン、アンゴラ、ベナン、エジプトの5カ国を訪問した。新年の中国外相のアフリカ訪問は33年連続となった。

秦外相はエチオピアでアビィ・アハメド首相と会談。ティグライ人民解放戦線(TPLF)との停戦合意(2022年11月8日記事参照)を祝福した上で、2国間協力を今後強化し、復興に向けてともに取り組む用意があることを表明した。アビィ首相は「インフラ、グリーン、農業、工業団地建設などの分野で両国間の協力は模範的だ」とした上で、「より多くの中国企業による投資を歓迎する」と述べた。また、詳細は明らかにされていないが、エチオピアの対中債務137億ドルの一部が免除されることも発表された。

秦外相はアフリカ連合(AU)のムーサ・ファキ委員長とも会談し、AUのG20入りに係る支持を表明した。また「アフリカに必要なのは連帯・協力で、競争ではない。アフリカ諸国にどちらの側につくかを強制する権利は誰にもない」として、アフリカを大国間の競争の場にすべきでないとの見解を示した。

秦外相はアンゴラでは、同国との国交樹立40年を祝うとともに、「両国の政治的相互信頼と友好関係は深化しており、経済協力は多くの成果を上げている」とした。ジョアン・ロウレンソ大統領は「中国はアンゴラの戦後復興と経済・社会の発展に不可欠な役割を果たしている」「中国企業はインフラや国民の生活水準の向上に貢献している」と称賛した。

秦外相はアフリカ外遊の最後にエジプトを訪問。アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領との共同会見で「『一帯一路』建設がエジプトで多くの成果をもたらすことを期待している」と述べ、今後もスエズ運河経済圏や新行政首都などインフラプロジェクトへの投資を続けるとした。エルシーシ大統領も「多くの中国企業を歓迎する」として、中国からの投資を積極的に受け入れる姿勢を示した。また、両者はパレスチナ問題を含む地域の安全保障問題にも言及。秦外相は「中国は、エジプトが中東和平・安定のために積極的に貢献していることを称賛・支持しており、ともに地域の長期的安定を促進する」と述べた。

秦外相はガボンとベナンも訪問。それぞれの国との協力関係の維持・発展を確認し、ベナンでは債務削減に係る合意書も締結した。

(梶原大夢)

(中国、アフリカ、エチオピア、ガボン、アンゴラ、ベナン、エジプト)

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