尹大統領がUAEを訪問、UAEは300億ドルを対韓投資へ

(韓国、アラブ首長国連邦)

ソウル発

2023年01月18日

韓国大統領室は1月16日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がアラブ首長国連邦(UAE)を国賓訪問し、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と首脳会談を行ったと発表した。会談では、両国間の「特別戦略的パートナーシップ関係」を最高水準に発展させることで合意したほか、UAEが政府出資の国富ファンドを通じ、原発や防衛産業、水素・太陽光エネルギーなど両国の戦略的な協力分野で韓国企業に対して300億ドルを投資することが決定した。

首脳会談後に各省庁・機関間などによる了解覚書(MOU)の締結式が開催され、原子力、エネルギー、貿易投資、防衛産業、気候変動分野など13件の文書が交わされた。産業分野では、韓国産業通商資源部長官とUAE産業・先端技術相間の「戦略的産業・先端技術パートナーシップに関する了解覚書(MOU)」(注1)、エネルギー分野では、同大臣間の「包括的・戦略的エネルギーパートナーシップ共同宣言」(注2)と「水素協力に関するMOU」(注3)、貿易投資分野では、韓国産業通商資源部長官とUAE経済相との間で「貿易・投資フレームワークに関するMOU」(注4)などの文書が締結された。

また、今回の首脳会談の機会を捉え、「韓-UAEビジネス商談会」も開催された。原発・エネルギー、スマートシティー、スマートファーム、プレミアム消費財など6分野から韓国企業36社とUAEのバイヤー105社の合計141社が参加し、1,100万ドル規模の商談が行われた。この中には、防衛関連産業も含まれ、ハンファ・エアロスペースなど4社が参加し、28件、300万ドル規模の商談を進めることとなった。

(注1)製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)、モビリティー、航空宇宙、部品・素材、サプライチェーンなどの協力を拡大する。

(注2)温室効果ガスのネットゼロ(原発関連強力)、炭化水素経済、産業の脱炭素化、エネルギー金融・投資、政策調整の5つのワーキンググループを設置する。

(注3)水素サプライチェーンの政策、投資、研究開発協力、クリーン水素の国際基準の共同開発などの協力を拡大する。

(注4)貿易の円滑化、投資、エネルギー鉱物資源のサプライチェーン、中小企業の貿易投資障壁などの協力を拡大する。

(当間正明)

(韓国、アラブ首長国連邦)

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