シェブロン、制裁緩和を受けベネズエラ産原油の対米輸出を再開

(ベネズエラ、米国)

ボゴタ発

2023年01月26日

米国石油大手シェブロンは、ベネズエラ産原油の米国向け輸出を再開した。各種報道によると、同社と国営石油会社PDVSAによる合弁企業ペトロピアルで生産された重質原油が、1月初めにタンカー数隻でベネズエラを出発し始め、第1便として1月19日、重質原油23万7,000バレルが米国ミシシッピ州のパスコグーラ製油所に到着した。同社はこのほか、3隻のタンカーと契約している。これらの原油は輸出が行えず同社がベネズエラ国内で貯蔵していたものだが、米国による経済制裁後では初の出荷で、4年ぶりとなる。

なおこれとは別に、シェブロンが契約したタンカーにより、オリノコ超重質油のアップグレード用希釈剤として50万バレル以上のナフサが1月初めにベネズエラに到着したことが、複数の報道を通じて報じられている。輸出向け原油の生産に不可欠な希釈剤は、米国による制裁で同国からの輸入が不可能となっていた。

米国は制裁緩和の条件として、ベネズエラ政府と反政府派との対話の進展を求めている。2022年11月にベネズエラ政府と反政府派との対話がメキシコで再開し、教育、保健、食糧、電力などの分野での人道支援に関して、また2024年の選挙に関する協議の継続に関して合意がなされた。そうした動きを受けたかたちで、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は2022年11月26日、シェブロンに対し、石油の生産、米国向け輸出、希釈剤などの輸入を6カ月間許可する一般ライセンス41号を交付した。今回の取引は、同緩和策により実現したもの。

最大の原油輸出市場だった米国向けが完全に停止していたベネズエラにとり、輸出の再開は転換点ともいえるが、同社のマイケル・ワースCEO(最高経営責任者)は、今後6カ月で増産のための投資を行うことは「有り得ない」としている。一方、制裁で事業継続ができなくなった外資系の石油関連企業は多く、資金回収のため制裁緩和を個別に求める動きは今後活発化するとみられる。また、米国「ウォールストリート・ジャーナル」(2023年1月12日)は、2007年にベネズエラの国有化政策により同国からの撤退を余儀なくされたコノコ・フィリップスが100億ドル相当の資産回収のため、ベネズエラ原油を輸入して米国で販売するためPDVSAと予備交渉に入ったことを報じている。

(豊田哲也、マガリ・ヨネクラ)

(ベネズエラ、米国)

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