ペトロ大統領、ネスレと共同でイノベーションセンター創設を発表

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年01月24日

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は118日、訪問中のスイス・ダボスで、食品大手ネスレと連携して太平洋同盟加盟国(コロンビア、メキシコ、ペルー、チリ)の若者向けに、イノベーションセンターを創設すると発表した。特に農業分野へ注力した取り組みで、ネスレがこれまで世界中で行ってきた環境再生型の食料システムを推進する活動や、農業従事者と協力した環境再生型の農法への移行など、共通価値の創造に重きが置かれる。インターネット上に創設するバーチャルな研修プラットフォームでは、太平洋同盟諸国の専門家が開発したコンテンツやトレーニングを無料で受けることができる。参加者が知識を深め、域内の革新的なエコシステムを促進することを目指す。

国家統計庁(DANE)によると、コロンビアの農業従事者の年齢は41歳~60歳で、世代交代の促進が急務となっている。そのためにも、政府は若者に対する研修や融資へのアクセス機会を増やすことが重要と考えており、ネスレとの取り組みによって農業従事者の起業を促進し、農業の生産性と競争力を強化することを目指す。

ネスレは多種多様なチョコレート製品ブランドを有している。118日付のコロンビア現地紙「ラ・レプブリカ」によると、同社のローラン・フレイシェ副社長兼ラテンアメリカ最高経営責任者(CEO)はペドロ大統領の発表について、コロンビア農民はコカ栽培に代わりカカオを栽培することを提案し、ネスレのコロンビア投資を拡大させる意向を明らかにしている。ネスレは高品質のコーヒーを中心にコロンビアの伝統産業の再構築を支援してきた実績がある。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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