カナダ政府、2022年の永住移民受け入れ数は過去最高の43万人超、2年連続で更新

(カナダ)

米州課

2023年01月06日

カナダの移民・難民・市民権省(IRCC)のショーン・フレイザー大臣は1月3日、2022年のカナダへの新規永住移民の受け入れ数が43万1,645人となり、目標数を達成したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2021年も40万5,999人を受け入れ、過去最高を更新していた。2021年より前に受け入れ人数が最も多かったのは1913年だった。

カナダでは移民・難民保護法に基づいて、大臣が毎年、移民計画を議会へ提出することが定められている。カナダ政府は、現在直面している深刻な労働市場の不足に対処し、将来に向けて強力な経済を構築する上で、移民の受け入れが重要としている。2020年10月に設定した受け入れ目標では、2021年は40万1,000人、2022年は41万1,000人となっており、それぞれ達成している。2022年11月1日に発表された2023~2025年移民計画では、2023年に46万5,000人、2024年に48万5,000人、2025年には50万人の永住者の受け入れを目指すとしている(2022年11月4日記事参照)。

2022年の目標達成には、受け入れ手続きを行ったIRCCの職員の尽力や導入した新技術が大きく寄与したとしている。2022年にIRCCが処理した永住権、一時滞在権、および市民権の申請件数は約520万件と2021年の2倍の件数の実績だったという。IRCCは今後も過去最高規模の新規永住者を受け入れる方針であることから、IRCCはリソースを追加し、新たな技術を採用し、オンライン手続きで完了するプロセスを増やしている。2022年秋の経済声明でも、政府は2022年から2023年にかけてIRCCにさらに5,000万カナダ・ドル(約49億円、Cドル、1Cドル=約98円)を拠出することを約束している。

また、IRCCによると、移民者はカナダの労働力の伸びのほぼ100%、人口増加の約75%を占めており、そのほとんどが経済カテゴリーの移民者という。また、全人口に占める移民者の割合は2011年には20.7%だったのに対し、2036年までに30%に増える見通しだ。職種別では、医師の36%、従業員を抱える事業主の33%、技術者の41%を移民者が占めているという。

(高山さわ)

(カナダ)

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