米州開発銀行、コロンビアのエネルギー転換とアマゾン森林保護へ7,350万ドル拠出

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年01月23日

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領と米州開発銀行のイラン・ゴールドファイン総裁は118日、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会に合わせて会談した。会談では、ゴールドファイン総裁から、コロンビアのエネルギー転換とアマゾンの森林保護に7,350万ドルを拠出することが発表された。

内訳は、米州開発銀行の気候変動基金(CIF)から7,000万ドル、アマゾン・イニシアチブ基金から350万ドルとなっている。7,000万ドルはエネルギー転換へ、350万ドルは環境サービスへの支払い(PES: Payment for Environmental Services)を実施するための規制枠組みの構築に充てられる。PES制度は、農家や土地所有者が土地を管理して何らかの環境サービスを提供するのと引き換えに、経済的インセンティブを与えるもの。この制度は、自然資源に市場価値を与えることで、その保全を促進することを目指しており、メキシコやコスタリカでは持続可能な森林経営を実現するための重要な政策ツールとなっている。コロンビアでは、環境省が地域社会と連携し、森林破壊を抑制・停止するための環境保全サービスに対して直接支払われる制度の構築を目指す。

ペトロ大統領は就任時から、アマゾンの環境保全に力を入れると宣言している。202211月のCOP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)では、地球の気候の柱をなすアマゾン地域の熱帯雨林を保全するため、コロンビアは年間2億ドルを20年間拠出すると表明し、国際社会への協力を呼び掛けていた。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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