岩谷産業、米産業ガス会社アスペン・エアーUSを買収、米国で販路拡大へ

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年01月13日

岩谷産業の子会社の米国岩谷(本社:テキサス州ヒューストン)は1月5日、米国の産業ガス製造・販売会社であるアスペン・エアーUS(本社:モンタナ州ビリングス)を買収したと発表した。

発表によると、アスペンは、エアセパレートガス(酸素・窒素・アルゴン)を製造・販売し、エネルギーおよび化学系メーカー、病院、販売店など、モンタナ州を中心に多様な産業や医療分野にエアセパレートガスを供給しており、安定したガス供給が顧客から評価されている。

米国岩谷は、産業ガスやマテリアルを中心に事業を展開しており、2019年11月に、米国の産業ガスディーラーであるアドバンスド・スペシャリティー・ガシズ(本社:ネバダ州リノ)の買収を発表している。米国岩谷は、米国での産業ガス事業を拡大しており、水素・ヘリウム・特殊ガスに加え、今回のアスペンの買収により、エアセパレートガスの取り扱いを開始するとともに、サービスエリアの拡大を図ることができるという。

岩谷産業の2022年上期(4~9月)の産業ガス・機械事業の売上高は約1,079億円で、エアセパレートガスについては、中国のロックダウンなどの影響により自動車関連業界向けを中心に販売数量が減少したことに加え、電力料金の上昇により製造コストが増加したとしている。

米国岩谷の岡本峰春社長は、今回のアスペン買収を受けて「世界の産業ガス市場において、米国は最大の規模を持ち、また今後の成長も大きく見込めると判断している。また、今回の買収が当社の水素・特殊ガスの物流・販売においても、シナジー効果が発揮できると期待している」と述べている。

米国岩谷は、今回のアスペン買収を契機として、米国におけるさらなる事業拡大、および収益力強化を図る方針だ。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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