米下院、中国との戦略的競争に関する特別委員会を設立

(米国、中国)

ニューヨーク発

2023年01月12日

米国連邦議会下院は1月11日、365対65の賛成多数で「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」を設立する決議案を可決した。共和党員で対中強硬派のマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州)が委員長を務める。

委員会の設立は、ケビン・マッカーシー下院議長(共和党、カリフォルニア州)が2022年11月の中間選挙後から、議長就任時の公約に掲げていた。マッカーシー議長は「両党の議員から共産主義の中国がもたらす脅威は深刻だと聞いている。その通りだ。これは政党の枠を超えた問題だ。そして委員会の設立は、この問題に対処するための最良の手段だ」と超党派での取り組みである点を強調した。委員会は共和党員9人、民主党員7人で構成され、各党が今後委員を選出する予定となっている。

マッカーシー議長とギャラガー委員長は2022年12月8日に、委員会のビジョンについてフォックス・ニュースに寄稿している。それによると、問題意識の根底には、中国との新たな冷戦に勝利するために、経済を強化し、サプライチェーンを再構築し、人権重視を標榜(ひょうぼう)し、軍事的な威圧行為に立ち向かい、米国民の個人情報や知的財産、雇用の窃取を止めるための強力な政策が必要との信念がある。その第一歩として、サプライチェーンを国内に取り戻し、中国への過度な経済的依存から脱却することが重要としている。具体的には、医薬品成分やレアアース資源などを例に挙げ、委員会として中国への依存状況を明らかにし、米国内または同盟・友好国と協力して重要なサプライチェーンを構築するための政策を推進すると強調している。また、中国による軍事的な威圧行為に関しては、台湾の自衛を支援し、ほかのインド太平洋地域の同盟国との関係構築を図るとした。さらに、そうした自由主義国とともに、中国の一帯一路構想に対する実行可能な代替策を追求していく。最後に、中国共産党は米国の連邦、州、地方自治体、学術機関に影響力を行使するためにロビー活動を行い、関連機関を通じた米国内の土地の購入や在米の中国人や米国人へのスパイ活動を行っていると指摘し、これらの調査を進めるとしている。その意味で、委員会は中国共産党と中国人を区別するよう注意すると述べている。

今日の議会において、対中政策は超党派で取り組める数少ない案件となっている。下院民主党トップのハキーム・ジェフリーズ議員(ニューヨーク州)は「下院民主党は米国民のために協力できる問題については、超党派のパートナーシップの手を差し伸べる意思があることを明確にしている」として、協力姿勢を見せている(政治専門誌「ザ・ヒル」2023年1月10日)。委員会の活動が具体的な政策の実現につながるか、今後の進展に注目だ。

(磯部真一)

(米国、中国)

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