タイ中銀が政策金利を1.50%へ引き上げ

(タイ)

バンコク発

2023年01月27日

タイ中央銀行(BOT)は1月25日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現行の1.25%から1.50%へ0.25ポイント引き上げることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。政策金利引き上げは2022年8月、9月、11月に続いて4会合連続となる。段階的な政策金利の引き上げが適切な金融政策の方向と判断し、全会一致で政策金利を0.25ポイント引き上げた。

BOTの発表によると、タイ経済は、中国からの観光客増加を要因とした観光業と個人消費の回復によって牽引されると予測。観光業の回復がサービス業などの収入や雇用の増加につながり、個人消費の継続的な回復を後押しするとした。他方、物品輸出は減速するものの、世界経済の回復に伴って2024年には改善すると予測した。また、先進国と中国の見通しが改善していることから、世界経済の下振れリスクは減少していると評価した。

ヘッドラインインフレ率(総合インフレ率)は下降すると予測。世界のエネルギー価格やコモディティー価格の低下により、供給側からのインフレ圧力は引き続き減少するとした。コアインフレ率については、しばらくは高い状況が続くが、徐々に低下すると見込んでいる。中期的なインフレ予測は目標範囲内に固定されているが、コスト転嫁が増えれば、コアインフレ率が予想よりも長く高止まりする可能性もあり、観光業の回復が需要側からのインフレ圧力にもなり得ると分析、引き続き注意深く監視していくとした。

金融政策委員会はまとめとして、タイ経済は引き続き回復し続けると判断。政策金利は段階的かつ慎重に、長期的に継続可能な成長と調和した水準に正常化されるべきとした。また、経済成長とインフレの見通しが現在の評価から変化した場合、政策正常化の規模とタイミングを調整する用意はあるとした。

(藤田豊)

(タイ)

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