11月の輸出は前年同月比6%減、2カ月連続のマイナス
(タイ)
バンコク発
2023年01月16日
タイ商務省が12月27日に公表した貿易統計によると、11月の貿易総額は前年同月比0.4%減の459億5,830万ドルだった。輸出総額は6.0%減の223億800万ドルで、2カ月連続のマイナスとなった。輸入総額は5.6%増の236億5,030万ドル、貿易収支は13億4,230万ドルの赤字となった。
商務省によると、物価高と金利上昇が購買力を圧迫することによって世界経済が鈍化していることや、中国の新型コロナウイルス感染対策のゼロコロナ政策が要因となり、輸出は減速した。他方、米国や欧州への貨物輸送費が下落傾向にあるなど、前向きな要素もあった。
農産物・農産業加工品の輸出は2.0%減となり、2カ月連続で縮小した。鶏肉(生鮮・冷蔵・冷凍・加工済)(20.9%増)、果物(生鮮・冷蔵・冷凍・乾燥)(7.5%増)などの産品が拡大するものの、ゴム(34.2%減)、コメ(4.7%減)などいくつかの産品で減少した。
工業製品の輸出についても5.1%減となり、2カ月連続で減少した。半導体・トランジスタ・ダイオード(73.1%増)、宝石・貴金属(金を除く、8.0%増)、輸送機器・同部品(5.5%増)などで拡大する一方で、石油関連製品(27.5%減)、コンピュータ・同部品(20.9%減)などが縮小した。
仕向け地別では、主力市場向けが5.5%減だった。国・地域別にみると、中国は9.9%減、日本は4.6%減、ASEAN(5カ国、注)は15.5%減、後発ASEAN諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム:CLMV諸国)は0.3%減と縮小した。米国向けは1.2%増、EU(27カ国)は0.4%増と拡大した。
2022年1~11月の累計では、貿易総額が11.9%増の5,457億8,700万ドル、輸出額は7.6%増の2,653億4,910万ドル、輸入総額は16.3%増の2,804億3,800万ドル、貿易収支は150億8,890万ドルの赤字となった。
(注)インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ。
(藤田豊)
(タイ)
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