2022年新車販売台数は調査開始以来最多を記録、2023年は16.6%減と予測

(チリ)

サンティアゴ発

2023年01月17日

チリ全国自動車産業協会(ANAC)によると、2022年の新車販売台数(バスなど大型車を除く)は前年比2.7%増の426,777台で、ANACの調査開始以来最多を記録した(添付資料図参照)。ANACは販売台数増加の要因として、商業活動が徐々に正常化したことや、家庭や中小企業などのビジネスの場において、速くて安全で快適な移動手段として自動車の利用が増加したことを挙げている。

新車販売台数をブランド別にみると、トップ5はシボレー(シェア8.8%)、トヨタ(7.8%)、奇瑞汽車(5.8%)、現代(5.6%)、スズキ(5.2%)の順で、シボレー、現代、スズキは前年比で減少に転じた(添付資料表1参照)。一方で、トヨタはSUV(スポーツ用多目的車)の売り上げが前年比で93.1%増加し、2021年の6位から2位まで順位を上げている。これは、同社のハイブリッド車(HV)の「COROLLA CROSS」や「RAV4」などの販売増加などが背景にある。

タイプ別にみると、乗用車は前年比13.3%減の105,186台だった(添付資料表2参照)。SUV8.7%増となる189,473台で新車販売全体の44.4%を占めた。SUVのモデル別販売台数トップ5は、奇瑞汽車の「TIGGO 2」(8,991台)、MGの「MG ZS」(7,665台)、シボレーの「TRACKER」(7,284台)、トヨタの「RAV4」(6,223台)、MGの「MG ZX」(5,785台)の順だった。タイプ別シェアの20.5%を占めたピックアップは特に好調で、三菱自動車の「L-200」(12,539台)が売り上げトップを記録し、存在感を見せた。

ANACは、2023年の新車販売台数について、2022年から16.6%減少して356,000台になるとの見通しを発表している。要因として、世界的なインフレ加速によるサプライチェーンへの圧力やコンテナ価格の上昇、中国の新型コロナウイルス感染拡大による影響、ロシアのウクライナ侵攻による影響などの外部要因に加え、国内経済の失速、年金制度改革、税制改革、新憲法制定プロセスなどの政治的要因を考慮している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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