深セン、カーボンニュートラル分野の産業発展措置を発表

(中国)

広州発

2023年01月04日

中国深セン市は12月21日、「深セン市のグリーン低炭素産業の質の高い発展を促進するための若干の措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

同措置は、クリーンエネルギー、省エネ・環境保護、新エネルギー車、生態環境、基礎インフラのグリーン化、グリーン低炭素サービスの6つの分野を集中的に支援することが明示されている。2022年12月23日から施行され、有効期間は3年間。なお、同措置は合計31項目の取り組みから構成される。主な内容は以下のとおり。

1.グリーン低炭素技術のイノベーション能力向上

ハイレベルなイノベーションの担い手を創出、産学連携による技術革新を促進、重要な核心技術の研究開発・商業化を強化、先端技術の基礎研究を支援する。

2.新たなグリーン低炭素の事業モデルの発展奨励

ビークル・ツー・グリッド(V2G)(注1)のレベルを向上、仮想発電所の建設を加速、総合エネルギーサービスを発展、省エネ管理システムにおけるイノベーションを推進、カーボンマネジメントサービスの発展を奨励、炭普恵(注2)認証排出削減量(CER)の取引を支援、グリーン電力証書の取引(注3)を奨励する。

3.グリーン低炭素新技術・新製品の応用と普及加速

再生可能エネルギーの発展を奨励、水素エネルギーの実証と応用を支援、新型エネルギー貯蔵の急速な発展を推進、新エネルギーを活用したマイクログリッドの実証と建設を推進、廃棄物の循環利用を支援、二酸化炭素(CO2)の回収・有効利用・貯留(CCUS)のパイロット実証プロジェクトを展開する。

4.デジタル技術によるグリーン転換支援

グリーン化に向けたデジタル基盤の構築、グリーン化を可能にするデジタルソリューションを奨励、デジタル産業のグリーン転換を推進する。

5.グリーン低炭素産業の市場競争力向上

基準、認証、計量を国際基準と整合させることを推進、新エネルギー車の持続的な普及を図る、越境貿易に対する支援を強化、展示会開催を支援し、広報活動における交流を強化する。

6.グリーン低炭素産業園区・社区(コミュニティー)構築

グリーン低炭素産業園区の土地政策を最適化、グリーン低炭素産業園区の建設を奨励、産業園区においてグリーン低炭素の循環化が行われるよう支援、炭素排出ほぼゼロのエリアを構築する。

7.グリーン低炭素社会実現に向けた政府による保障措置

グリーン低炭素分野の人材育成と、グリーン関連への投融資の支援を強化する。

(注1)電気自動車の蓄電池に蓄積されている電気エネルギーを、電力系統(グリッド)に供給すること。車載蓄電池とグリッドとで双方向の充放電が可能となる。

(注2)炭普恵とは、カーボンニュートラルに関連するビジネスインセンティブ、優遇政策、取引制度を運用することで、社会が脱炭素化に向けた取り組みへの参加を促し、CO2の排出抑制とカーボンシンク(炭素の吸収と固定)の増加を目指すこと。

(注3)再生可能エネルギーで生産した電力に付加価値があるとし、取引可能とする仕組み。証書は中国の国家再生可能エネルギー情報センターが発行する。水力以外の再生可能エネルギーが対象。

(汪涵芷)

(中国)

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