米イリノイ州、1月から飲食店などでのラテックス製手袋が使用禁止に

(米国)

シカゴ発

2023年01月17日

米国イリノイ州で、1月1日から食品調理・医療サービスの現場でのラテックス製手袋の使用を禁止する法律が発効した。2022年6月14日に成立したこの法律の目的は、ラテックスにアレルギーを持つ労働者や顧客を保護することだ。2023年1月1日からレストランを含む食品サービス提供をする者と救急医療技士に対して適用され、2024年1月4日からは、そのほかの医療従事者に適用される。

ラテックス・アレルギーは、皮膚の炎症から重篤なアナフィラキシーに至るまで、さまざまな症状を引き起こす可能性があるため、アレルギー患者は、ラテックス手袋を使用しているレストランでの飲食や、医療機関での治療を受けることができない。また、米国疾病予防管理センター(CDC)によると、ラテックスを頻繁に着用する人は、アレルギー体質になる可能性があり、医療従事者の中の8~12%がラテックスに敏感と推定されている。

この法律には、食品サービスの場でラテックス以外の手袋が入手不可能な場合、ラテックス手袋の使用を許可する規定がある。その場合は、ラテックス手袋の使用について顧客に目立つようなポスターで警告する必要があるとされている。なお、医療機関でも同様に例外が適用されるが、その場合には、ラテックス・アレルギーの患者や病歴を伝えることのできない患者に対しては、非ラテックス手袋を優先的に使用するよう指示されている。

イリノイ州レストラン協会のサム・トイア会長兼最高経営責任者(CEO)によると、「レストランは顧客のアレルギーに敏感なため、多くがすでにラテックス製手袋の廃止を進めている」とのことだ。

なお、イリノイ州のほか、少なくとも7州(アリゾナ、カリフォルニア、コネチカット、ハワイ、オハイオ、オレゴン、ロードアイランド)で飲食店などでのラテックス手袋の使用禁止に関する類似の規則があるとされている(NPRイリノイ1月4日)。

(タマラ・ラズベリー、星野香織)

(米国)

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