アゼルバイジャン、日本との租税条約に署名

(アゼルバイジャン、日本)

イスタンブール発

2023年01月05日

アゼルバイジャンのミカイル・ジャバロフ経済相と和田純一駐アゼルバイジャン日本大使は12月27日、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアゼルバイジャン共和国との間の条約(日本・アゼルバイジャン租税条約外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」に、首都バクーで署名した。今後、両国の国内手続きを経た後、外交上の経路を通じて手続き完了を確認する通告を相互に行い、遅い方の通告が受領された日の後、30日目に発効する。

同条約は、1986年に発効した旧ソ連との租税条約を全面改正するものだ。主に、a.事業利得に対する課税、b.投資所得に対する課税に関する内容が改正された。また、相互協議手続き、情報交換、徴収共助、条約の特典の乱用禁止の条項が定められた。

事業利得については、企業の進出先国の恒久的施設(PE:Permanent Establishment)に帰属する利得に対してのみ、進出先国で課税される。親会社の従業員が進出先国の子会社に赴き、一定期間を超えて技術支援を行うなどの「サービスPE」による利得も課税対象となる。

投資所得については、配当、利子、使用料について源泉地国の課税の上限(限度税率)が引き下げられたほか、内容によっては免税となる(添付資料表参照)。

アゼルバイジャンと日本は2022年、外交関係樹立30周年を迎え、「日アゼルバイジャン友好年」として、文化・経済・政治など幅広い分野で交流が行われた。最近では、東京で12月13日に両国間の観光協力に関する覚書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが署名された。現在、アゼルバイジャンに拠点を有する進出日系企業はエネルギー、たばこ、自動車など17社(在アゼルバイジャン日本大使館、2022年4月7日)。今回の租税条約の締結により、両国間の投資、貿易といった経済交流が一層活発となることが期待される。

(中島敏博)

(アゼルバイジャン、日本)

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